「2015北ののぼロゼ」は、北海道余市の木村農園で、2015年に収穫されたピノ・ノワールとシャルドネとピノ・ムニエの葡萄から造りました。良いスパークリングワインには豊かな酸が欠かせません。そこで木村農園では、それぞれの葡萄を最適なタイミングで収穫。収穫後は岩見沢の醸造場10Rで、葡萄を房のまま搾り、フリーランの果汁だけを取り出して、野生酵母で一次醗酵させました。翌2016年の春、このキュヴェ(原酒)を足利のココ・ファーム・ワイナリーに運び、蔗糖と酵母を加え、すばやくビン詰して王冠で打栓しました。このティラージュビン詰の後は、涼しいセラーで52カ月以上寝かせました。ワインは静かにビン内で二番目の醗酵を行いながら、繊細で細やかな泡を生み出し、熟成を経て、さらに香りの複雑さとボディの厚みを加えていきました。2020年の冬、最高の状態になったワインを、こころみ学園の園生たちが毎朝毎晩ビンを45度ずつ回してルミュアージュを行い、澱をビン口に集めました。その後、ビン口の澱を冷却機で凍らせ、王冠と同時に澱を取り除き(デゴルジュマン:Degorgement)、アッサンブラージュ法で2020年のピノ・ノワールの赤ワインを少量加えて、味わいと香りのバランスを整え、ナチュールの状態で打栓し、ワイヤーをかけました。
ルミュアージュやデゴルジュマンをはじめ、ほとんど全ての工程が手作業による“北ののぼロゼ”。美しいバラ色、芳醇な香り、のびやかな酸、上品なコクをお楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: |
ピノ・ノワール 76% シャルドネ 20% ピノ・ムニエ 4% |
畑: | 北海道余市町登 木村農園 |
収穫: |
2015/09/28, 29, 30 10/01, 04, 12, 28, 29, 30, 31 2020/11/03〜15(ピノ・ノワール) 2015/10/04, 05, 07(シャルドネ) 2015/10/04(ピノ・ムニエ) 収穫方法:手摘み |
醗酵: | 房のままプレス。フリーラン果汁の澱を軽く沈めた後、野生酵母にてステンレスタンクで醗酵。 |
熟成: | 選抜酵母でのビン内二次醗酵を経て、さらに52カ月以上、酵母の澱と接触させながら熟成。 |
瓶詰: |
澱引き後、清澄せず無濾過でビン詰。デゴルジュマンの際、原酒に2020年のピノ・ノワールの赤ワインを少量加え、味わい・香りのバランスを整えた。 ビン詰日:2016/08/11(ティラージュ) 2021/02/15 (デゴルジュマン) アルコール: 11.7% 酸度: 8.1 g/L 残糖: 3g/L |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いは明るいサーモンピンクや桜色。香りはピンクグレープフルーツやイチゴ、伊予柑にベーコンやトーストのスモーキーさ、キノコやナッツの香りが加わり複雑に感じる。しっかりとした酸と共に、果実の甘やかさ、渋みやスモーキーな味わいで骨格も感じる。 |
料理との相性: | イチゴのサラダ、冷やしトマト、いぶりがっこ、きんぴらごぼう、キノコのアヒージョ、スモークサーモンのカルパッチョ、ボルシチ、ホタテのコロッケ、アランチーニ、海老の棒春巻き、グレープフルーツのゼリー寄せ |
飲み頃: | 2021年~2025年は、フレッシュで華やかな印象。冷蔵庫や氷水でよく冷やして、きめ細やかな泡を楽しんでいただきたい。2026年~は熟成感と香ばしさが合わさり、複雑さや余韻がさらに伸びるだろう。 |
2021/02/24
●2015 北ののぼ ロゼワイン・データシートPDF(プリントに最適です)