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2021 月を待つ ワイン・データシート

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1969年に公認されたケルナー種の葡萄は、今では現代ドイツの葡萄交配の大傑作と言われています。品種名は、19世紀にグラス1杯のワインを自然の薬として飲むよう勧めたヴュルテンベルグの医者で、酒宴の歌の作家でもあるJustinus Kerner氏にちなんだもの。現在はドイツをはじめオーストリアやイタリア、スイスまたイギリスやカナダ等でも栽培されています。日本の北海道では、農林水産省の2014年統計によると57.3ヘクタール。私たちもケルナーが持つ、華やかな香り、みずみずしい酸、豊かなフルーツに魅力を感じ、余市の契約栽培農家さんたちに栽培をお願いしています。
「2021月を待つ」は、果実味豊かでリッチな味わいのやや甘口の白ワインです。ワインの名前の由来は「出る月を待つべし、散る花を追うことなかれ」という江戸時代の中根東里の言葉から名付けました。この清貧の儒学者が佐野にひらいた村塾の壁書にこの言葉があったそうです。(磯田道史著「日本人の叡智」新潮新書) そういえば、“Here Comes The Moon ほら、月が顔を出すよ”という名曲もありました。さあ、お月さまと一緒に、この自然のエレガンスをゆっくりと楽しみましょう。

テクニカル・データ
品種: ケルナー 99%
シルヴァーナ 1%
畑: 北海道 余市 荒農園、才川農園、藤澤農園、長谷川農園、舟窪農園
収穫: 2021/10/05, 09, 12, 16, 19, 28, 11/02
収穫時の糖度(平均)約21.0°Brix
収穫方法:手摘み
醗酵: 2つの方法で仕込んだ。1つ目はフリーランの果汁のみをステンレスタンクに入れ液温を23℃以下で約1カ月、野生酵母で醗酵。2つ目はやさしくプレスした果汁と除梗した葡萄をプラスチックタンクに入れ1カ月醸す。アルコール醗酵により十分に成分を抽出した後、プレス。その後、ステンレスタンクにて野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を続ける。
熟成: ステンレスタンクで約6カ月熟成。その後、澱引き・ブレンドし、濾過を行った。
瓶詰: 澱引き後、濾過を行いながらビン詰。ビン詰日:2022/06/21
本数:6,499本(750ml)
アルコール:13.5%   酸度:4.9 g/L.   残糖:21.0g/L.
このワインについて
テイスティング・
コメント:
香りはパッションフルーツや白桃の果実に加え、はちみつやヴェルヴェーヌ、紅茶などを華やかに感じる。口当たりは柔らかな甘みにキリっとした酸と果実味、みずみずしさが全体を支え、余韻に熟したブドウ由来の旨味とほろ苦さが続いていく。
料理との相性: ポテトサラダ、よだれ鶏、胡瓜のぬか漬け、ピーマンとツナのサラダ、里芋と豚ひき肉の餡かけ、ブータンノワール、レモンバターソースのタリオリーニ、鮎の塩焼き、レバニラ炒め、ジャークチキン、麻婆豆腐、紅茶のシフォンケーキ
飲み頃: 2022年~2025年は、フレッシュな果実味のある味わいが続く。2026年からは、熟成によりオイリーさと香ばしさがでてくるだろう。

2022/07/22

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