1950 年代、知的な障害を持つ中学⽣とその担任教師によって開墾された、こころみ学園の葡萄畑。現在、この急斜⾯の葡萄畑の中段で育てているのがノートン種(シンシアナ種)の葡萄です。また1982 年に開墾された佐野市⾚⾒の葡萄畑ではタナ種等の⾚ワイン⽤葡萄を育てています。これらの⾃家畑に育つ葡萄は、⽇本の気候のなかで美味しいワインを造るために、世界中のワイン専⾨家からアドバイスを受け、実際に葡萄を植え、試⾏錯誤を重ねながら実った適地適品種の葡萄です。
「協奏曲R」は⾃家畑の⾚ワイン⽤葡萄品種からなるワインです。⾬の多い USA 東海岸のヴァージニアや中央部ミズーリ原産のノートン種、フランス南⻄部マディラン地⽅原産のタナ種、そしてプティ・ヴェルドー種。これらの健康で⾹り⾼い葡萄を慎重に収穫し野⽣酵⺟で醗酵させ、その後 3 種をブレンドしバランスを⾼め無清澄・無濾過でビン詰しました。気候変動の今⽇、こころみ学園の⾃家畑の葡萄を麓の醸造場で飾り気なく造った「協奏曲 R」。R はRed(英)、Rouge(仏)、Rosso(伊)の略。互いの良さを引き⽴てあって奏でる協奏曲のようにお楽しみいただけたら幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: |
ノートン 66% プティ・ヴェルドー 24% タナ 10% |
畑: | 栃木県足利市田島、佐野市赤見 こころみ学園 |
収穫: |
2021/09/27, /29 10/05, 07 収穫時の糖度(平均)約20.1°Brix 収穫方法:手摘み |
醗酵: | ノートンは2つの方法で仕込んだ。1つ目は、全房でステンレスタンクに入れ、約18℃でMC(マセラシオンカルボニック)を23日間行った後プレス。2つ目は、全房でプレスしたマストに手除梗した葡萄を加え、ステンレスタンクに移し13日間醸した後プレスした。タナは手除梗後、益子焼の甕に入れ12日間醸しプレス。プティ・ヴェルドーは甕での醸し醗酵を約2週間行った後プレスした。 |
熟成: | フランス産及びアメリカ産オークの古樽またはステンレスタンクで約8カ月熟成。 |
瓶詰: | 澱引き後ブレンドし清澄せず無濾過でビン詰。ビン詰日:2022/06/24 本数1,453本(750ml)アルコール:10.3 % 酸度:5.1 g/L. 残糖:1.5 g/L. |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
ブルーベリー、プラム、ざくろに加えジャスミン、ラベンダーの華やかな印象。さらにスーボワ、ボタニカル、ドライポプリの香りが複雑に重なる。口当たりは、上品で滑らかな酸と柔らかくバランスの取れたタンニンが味わいを引き締め、旨味を伴った長い余韻が続いていく。 |
料理との相性: | トマトのお浸し、パプリカのマリネ、生春巻き、松茸と銀杏の炭火焼、鱧すき鍋、サルティンボッカ、ブーダンノワール、ジンギスカン、グリーンカレー、黒酢の酢豚、北京ダック、ニラレバ炒め、鴨シュウマイ、牛タンの塩焼き、シェーブル、レッドチェリーパイ |
飲み頃: |
2022年~2026年は、フレッシュでジューシーな果実味を味わえる。抜栓後1時間程度は香りの変化が大きいので、ゆっくりと時間をかけて味わっていただきたい。 2027年~2032年は、熟成により一体感が出て旨味が増し、味わい深くなる。 |
2022/11/14
●2021 協奏曲Rワイン・データシートPDF(プリントに最適です)