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2019 ツヴァイのクヴェヴリ ワイン・データシート

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Zweigelt(ツヴァイゲルト)と呼ばれる葡萄品種は1922年オーストリアのツヴァイゲルト博士によりサンローランとブラウフレンキッシュを交配して開発されました。現在は50年足らずのうちにオーストリアだけでなく、北海道でも優れた栽培家たちによって上質な深みのある葡萄が栽培されています。
「こことあるシリーズ 2019ツヴァイのクヴェヴリ」は、余市の町と日本海が見渡せる丘のてっぺんにある小西農園のツヴァイゲルト種の葡萄からつくられました。岩見沢の醸造場(10Rワイナリー)では収穫した葡萄を軽く潰し、ジョージア(旧グルジア)から直輸入したクヴェヴリのなかで野生酵母により醗酵させました。この卵型の素焼きの壺、クヴェヴリは土の中に埋められ、ツヴァイゲルトは一定の温度を保ちながらゆっくりと穏やかにワインになっていきました。この赤ワインは、ビン詰時のごくわずかな亜硫酸の添加を除き、何も加えず濾過も行っていません。
特別な環境のなかで造られたこの赤ワインは、古いものと新しいものの興味深い出会いを見事に表現しています。本格的なワイン造りがはじまったばかりの日本で、若い栽培家によって育てられたツヴァイゲルトの葡萄。そして、ワイン発祥の地、ジョージアで、紀元前から人々がワインを造っていたクヴァヴリによる醸造※。この古くて新しいユニークなこころみをお楽しみいただければ幸いです。
※ちなみにジョージアでのクヴェヴリによる醸造は、2013年12月ユネスコ世界文化遺産(人類の無形文化遺産部門)に登録されています。今回使用したクヴェヴリも専門職人の手で造られたものです。

テクニカル・データ
品種: ツヴァイゲルト 100%
畑: 北海道余市郡余市町登町 小西農園
収穫: 2019/10/24〜27
収穫時の糖度(平均)約22.2°Brix
収穫方法:手摘み
醗酵: 葡萄を細心の注意を払って選別し100%手で除梗。クヴェヴリに入れ、11カ月醸しアルコール醗酵。古樽で6か月間熟成。
瓶詰: 澱引き、ブレンド、少量の亜硫酸塩添加後、無清澄・無濾過にてビン詰。
ビン詰日:2021/07/17   本数:1,184本(750ml)
アルコール:12.8%   酸度:6.5g/L   残糖:1.2g/L
このワインについて
テイスティング・
コメント:
香りはダークチェリーやレッドプラムの果実に加え、黒胡椒やシナモン、カルダモンなどのスパイス、腐葉土やなめし皮、カカオなどを複雑に感じる。味わいは柔らかいアタックで果実味の中にスパイスを感じる。全体的に酸が広がり、余韻に中程度の渋みが続く。
料理との相性: アボカドとトマトのコブサラダ、万願寺唐辛子など京野菜のグリル、茹でだだちゃ豆、タコス、ズッキーニとポテトのハリッサ炒め、ラムのスペアリブ、豆のビリヤニ、宮崎鶏モモ肉の炭火焼き
飲み頃: 2021年~2024年は、果実主体の風味が続く。2025年からは、熟成によりタンニンが滑らかになり旨味や香ばしさ主体の味わいへと変わっていくだろう。

2022/09/12

2019 こことあるシリーズ ツヴァイのクヴェヴリワイン・データシートPDF(プリントに最適です)