現在世界中で造られているピノ・グリには、色々なタイプがあります。溌剌とフレッシュなイタリアのピノ・グリージョ(Pinot Grigio)、リッチかつまろやかなニュージーランドやカリフォルニア、ねっとりと絡みつく蜂蜜のような舌触りでスパイシーなコクのあるアルザス地方。さらにドイツではルーレンダー(甘口)またはグラウブルグンダー(辛口)の別名もあり、スイス、ハンガリー、スロヴェニア、ロシア、モルドヴァ、カナダなど実に様々な場所で様々な解釈でピノ・グリのワインが造られています。
こことあるシリーズの「2019ぴのぐり」は、日本の北海道余市の優れた栽培家が育てたピノ・グリから造りました。2014年にはじめてピノ・グリからワインを造り、2019年は6回目のヴィンテージです。
2019年は、例年に比べて北海道にしてはとても暖かな年でした。春先から暖かく乾燥した気候が、開花中もずっと続き、そのおかげでとても良い状態の結実となりました。さらにその後も暖かな夏が長く続き、秋も穏やかで、乾燥した最高の年でした。こうして一年中ずっと、コンディションとしては理想に近い状態となりました。おかげで完熟した葡萄が、かなりの量で収穫できました。こことある「2019年ぴのぐり」は、力強く、果実の特徴が強調されるようなワインのタイプとなりました。
日本の北国の爽やかさを反映した「2019ぴのぐり」です。ごゆっくりどうぞ。
テクニカル・データ | |
品種: | ピノ・グリ 100% |
畑: | 北海道余市郡余市町登 中川農園、木村農園 |
収穫: | 2019/10/15, 16, 17 |
醗酵: | 葡萄を選別した後、房ごと低圧で搾った。 |
熟成: | 醗酵後、澱引き・ブレンドを行い、ステンレスタンクで更に熟成。 |
瓶詰: |
少量の亜硫酸添加後、無清澄・無濾過にてビン詰。 本数:4,206本(750ml) アルコール:13.4% 酸度:0.61 g/100 ml. 残糖:0.41% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
イチジク、カリン、パイナップルの果実に加えタイムやラベンダーの香り。口当たりは上品で丸みのある豊富な酸と、グリ系由来のほろ苦さも加わり複雑、クレームブリュレやレモンキャンデイのような甘い余韻が優しくゆっくり続いていく。 |
料理との相性: | ミョウガとオクラのピクルス、ヒラメの昆布締め、里芋の煮ころがし、鮎の春巻き、とり貝の握り、マカロニグラタン、魚介のフリカッセ、ジビエのパテアンクルート、蟹クリームコロッケ、コンテチーズ、金柑のコンポート、レモンメレンゲパイ |
飲み頃: | 2020~2024年は、フレッシュで豊かな果実味のある味わいが続く。2025~2026年までは、甘やかなフルーツの印象が落ち着き熟成により一体感が出る。温度による味わいの変化が大きいので甘さを感じたいなら、温度を高め(15~18℃)すっきりと味わいたいなら、よく冷やす(10~14℃)ことをお勧めする。 |
2020/08/03
●2019 こことあるシリーズ ぴのぐりワイン・データシートPDF(プリントに最適です)