「陽はまた昇る」はタナ種を主体にした赤ワインです。タナ種は、年間の雨量が多いフランス南西部マディラン地方の主要な葡萄品種で、現地ではこの葡萄から色が濃く果実味豊かで渋味の強い長期熟成タイプのワインが数多く造られています。私たちはこの葡萄なら日本でもうまく育つだろうと考え、まず始めに足利にこの品種を植えました。その後、可能性を探るべく山形と長野の契約農家に栽培をお願いしたところ初めての品種にもかかわらず栽培を快諾してくださいました。そして土地との相性もさることながら、彼らの経験と技術によってわずか数年のうちに素晴らしい葡萄が収穫できるようになりました。醸造場では葡萄の良さを生かすためシンプルな造りを心がけました。タナ種の果実味や酸味、カベルネ・ソーヴィニョン種の柔らかな口当たりが調和した印象的な赤ワインになりました。
テクニカル・データ | |
品種: |
タナ 87% カベルネ・ソーヴィニョン 9% メルロ 4% |
畑: |
長野県高山村 佐藤農園、山形県上山 佐竹畑、木村畑、南果連、尾形畑(タナ) 山形県上山 尾形畑、小松畑(カベルネ・ソーヴィニョン) 山形県上山 尾形畑(メルロ) |
収穫: |
2018/10/4, 5, 20, 24(タナ) 2018/10/27(カベルネ・ソーヴィニョン) 2018/10/24(メルロ) 収穫時の糖度(平均)約20.5°Brix |
醗酵: | 熟した葡萄を除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。ルモンタージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。2、3日すると野生酵母による醗酵が自然に始まる。醗酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。注意深くルモンタージュを続けながら、十分な色素と風味を抽出する。約2週間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、木樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | オークの木樽で約12~13カ月熟成。 |
瓶詰: |
澱引きし、清澄・濾過処理なしでビン詰。 ビン詰日: 2019/12/27 本数: 9,613本(750ml) アルコール: 11.9 % 酸度: 0.58 g/100 ml. 残糖: 0.2% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いは紫がかったガーネット、ダークチェリーやブルーベリーの果実に、ナツメグやシナモンのスパイス、チョコレート、トーストに加え、スモーキーな香りも複雑に混ざり合う。口当たりはミディアムボディで伸びやかな酸と細かいタンニンを感じる。 |
料理との相性: | こころみ学園産原木栽培椎茸のソテー、いぶりがっこ、きんぴらごぼう、豚肉のリエット、ブリの照り焼き、ラザニア、鶏肉と卵のすっぱ煮、レバニラ炒め、仔羊のロティ、ブフブルギニヨン、牛肩ロースのグレイビーソース |
飲み頃: | 2021年~2023年 果実主体の風味が続くだろう。2025~2027年 熟成によりタンニンが滑らかになり、旨味や香ばしさ主体の味わいへと変わっていくだろう。 |
2020/11/18
●2018 陽はまた昇るワイン・データシートPDF(プリントに最適です)