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ワイン・データシート

2018 甲州F.O.S. ワイン・データシート

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私たちは世界各地のワイン産地を訪れる旅の間に、茜色の滋味深いワインに巡り会うことができました。イタリアのフリウリ地方やフランスのジュラ地方、そしてジョージアの生産者がつくる渋く複雑でナチュラルな美味しさを持つオレンジ色のワイン。適地適品種の葡萄を探すなかで、その土地に古くから栽培されてきた葡萄がその個性を思う存分に発揮しているワインの有りようは、私たちを元気づけてくれました。その頃、日本固有の葡萄・甲州種から造られた白ワインは、そのほとんどが淡い色で、軽く飲みやすいワインでした。それゆえ葡萄自体も同じように淡い色でソフトな味だと思われがちでしたが実は甲州種の葡萄は渋味がありとても力強いのです。そんな甲州種の魅力を引き出したくて、2004年私たちは甲州種から可能な限り葡萄の香りと成分を抽出したワインを造りはじめました。
F.O.S.とはFermented on Skins(果皮の上で醗酵)の略。以来、この白ワインは優れた契約栽培家との信頼関係をもとに、毎年、赤ワインを造るように果皮や種を一緒に醗酵させ、試行錯誤を繰り返しながら造られています。「2018甲州F.O.S.」も、深い色、広がりのある複雑なアロマ、ここちよい渋みを有するワインで、最近ではオレンジワインに分類されることもあります。中華をはじめいろいろなお料理と思わぬ相性を見せる個性的なこのワイン、のんびりお楽しみくださいますように。

テクニカル・データ
品種: 甲州 100%
畑: 山梨県甲州市勝沼秋玉園東夢農場
山梨県山梨市カノハタ畑、雨宮畑
山梨県甲州市塩山小川畑
収穫: 2018/09/24, 28, 29 10/23
収穫時の糖度(平均):約17.5°Brix
醗酵: 3 つの方法で野生酵母により醗酵。1 つ目のロットは、葡萄を除梗し、ゆっくり醗酵させる ために破砕はせずにステンレスタンクへ。果粒内でのマセラシオンカルボニックとアルコ ール醗酵が終わり、約 2 カ月かけて十分に成分を抽出した後、プレス。2 つ目のロットは 葡萄を除梗破砕し、ステンレスタンク内で 2 日間スキンコンタクトし、プレス。その後、 ステンレスタンク内で醗酵。3 つ目のロットは葡萄をプレスし、果汁をステンレスタンク または甕(かめ)で醗酵後、ブレンドした。
熟成: 醗酵終了後、約4割を樽、約6割をステンレスタンクで、12~14カ月熟成。
瓶詰: 澱引き後、清澄せず無濾過でビン詰。 ビン詰日: 2019/12/26 本数: 4,798本(750ml)
アルコール: 12.2 %   酸度: 0.49 g/100 ml.   残糖: 0.2 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは輝きのあるオニオンスキン。びわ、みかんの花、黄桃、オレンジピールに加えカルダモンやコリアンダーシードの香り。味わいは、しなやかな酸味と紅茶のような風味を感じ細かく緻密なタンニンが口中を引締めコクのある苦みと旨味がゆっくり広がっていく。
料理との相性: 生ハムと柿、からすみ大根、鰻の肝焼き、鮎のコンフィ、ホタテと毛蟹のムース、小籠包、ローストチキン、モロッコ風クスクス、アスパラとベーコンの炒め物、イカと魚介のパエリア、ミモレット、スカモルツァ・アッフミカータ、フィナンシェ、金柑のコンポート
飲み頃: 2020~2025年 果実味、酸味、タンニンなど立体的な味わいを楽しめる。渋みが支配的に感じる時は少し温度をあげるか抜栓後時間が経過するとまろやかさ、果実感や甘みが増してより楽しめる。2025年~ 熟成によりドライフルーツの香りや香ばしさなどが現れ落ち着きある印象へ変化する。いい状態で保管できれば10年程度の長期熟成も可能。

2020/10/14

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