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ワイン・データシート

2011 山のタナ ワイン・データシート

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 2020年夏、9年前の2011年ヴィンテージの「山のタナ」が、ほどよい熟成の時を迎え、蔵出しになりました。当時も今も、タナ種は日本ではあまり知られていません。当時、栽培醸造スタッフが「タナ種を栽培したい」と言ったとき、販売スタッフはフランス南西部やワインの専門家しか知らないような品種のワインをどのように売ったらよいか、期待しつつも戸惑っていました。海外のワイン産地と比べたとき、日本の独特な土壌と気候は私たちを困惑させてきました。でも、どんな葡萄品種を栽培するのかを決めるのは単純なことでした。「日本でうまく育つ品種こそが、私たちが栽培すべき品種」なのです。フランス南西部マディラン地域から探し出してきたタナ種の葡萄はその名の通りタンニンが豊富で、今、素晴らしい飲み時を迎えています。東日本大震災があった2011年のワインを、山の横穴の貯蔵熟成庫で静かに熟成させ、2020年、皆さまにご紹介できることをありがたく幸せに思っています。

テクニカル・データ
品種: タナ 100%
畑: 山形県上山 南果連協同組合・佐竹 達夫、尾形昌男
収穫: 2011/10/26   収穫時の糖度: 23.9Brix
醗酵: 完熟した葡萄を除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。1日2回のピジュアージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。2、3日すると野生酵母による醗酵が自然に始まる。醗酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。注意深くピジュアージュを続けながら、十分な色素と風味を抽出する。約10日間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、小樽に移しマロラクティック醗酵を促す。
熟成: オークの小樽で17カ月熟成。
瓶詰: 瓶詰日: 2013/4/9   本数: 1,477 本(750ml )
アルコール:12.30%   酸度: 0.690g/100ml.   残糖: 0.27%
このワインについて
テイスティング・
コメント:
ブラックベリーやカシスなど黒系果実のアロマが豊かで、黒胡椒やクミンなどのスパイス香が広がる。酸味が落ち着いてきていている分、後味にタンニンをしっかり感じるが、タンニンもこなれ始めて熟成期に入ってきている。心地よい苦みをしっかり感じ、中盤からスパイスの風味が広がり、余韻が長い印象。
料理との相性: やや濃い肉料理(ステーキや煮込み、スペアリブなど)、牛肉の燻製、トンポーロー、黒酢の酢豚、メンチカツ、炭火焼全般、メカジキのソテーバルサミコソース、チーズ(ブルー、シェーブル)
飲み頃: 現在、飲み頃。それ以降でも、熟成により口当たりが柔らかに広がる、ゆったりとしたまろやかで複雑なワインとなるだろう。

2020/07/23

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