「2015こころみノートン」は、なかなか珍しい葡萄品種、ノートン種100%からつくられています。
多くの葡萄品種は、高温多湿で夏に雨の多い地域では順調に育ちにくく、たとえそのような状況でつくれたとしても、ワインは果実味がなく色の薄い水っぽいものになりがちです。しかし、私たちは雨の多いアメリカ合衆国の東海岸のヴァージニアや中央部のミズーリで、ノートン種(シンシアナ種)が果実味たっぷりの色の濃い、印象的なワインをつくっていることに着目しました。そして、ノートン種の葡萄をこころみ学園の畑で栽培しはじめたのです。このノートン種は、日本の北関東の気候にもよく馴染み、元気な赤ワイン用の葡萄が実るようになりました。醸造場では乾燥した培養酵母ではなく、野生酵母で発酵させました。より純粋に飾り気なくつくったのは、こころみ学園の自家畑からできたノートン種の濃さと奥深さを表現したかったからです。
熟成し飲み頃となった自家畑の「こころみノートン」、お楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: |
ノートン 91.0% タナ 9.0% |
畑: |
栃木県足利市田島(ノートン) 栃木県佐野市赤見(タナ) |
収穫: |
2015/10/6, 7, 8, 9 (ノートン) 2015/10/5 (タナ) 収穫時の糖度20.5°Brix(平均) |
醗酵: |
葡萄を除梗し、軽く破砕する。1日2回ピジャージュしながら醸し、徐々にマストを温めてゆく。4、5日すると天然酵母による醗酵が自然に始まる。醗酵は高めの温度で進み、 残糖がなくなるまで続く。約2週間醸した後、マストをプレスした。 小樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | オークの小樽で約5ヶ月熟成後一度オリ引きした。更に2か月熟成後各樽をブレンドし、 清澄・ろ過処理なしでビン詰。 |
瓶詰: | ビン詰日: 2016/5/19 本数: 3,227本(750ml) アルコール: 11.3 % 酸度: 0.67 g/100 ml 残糖: 0.23 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
カシス、ブルーベリー、ドライプルーンの果実にカルダモン、紫蘇、干し草、トーストの香り。口当たりは滑らかな酸にしっかりとしたタンニンが絡み合う。余韻は長く、かすかなスモークが続いていく。 |
料理との相性: | スペアリブ、黒酢の酢豚、八角を効かせた角煮、鴨肉のローストフランボワーズソース、モツのキムチ炒め、鰯(いわし)の梅煮、めかじきのソテー バルサミコソース、レアチーズケーキ チェリーソース |
飲み頃: | 現在から5~10年後。現在もフレッシュな果実味を楽しめる。熟成を経ることで、口当たりが柔らかに広がる、ゆったりとしたまろやかで複雑なワインとなる。 |
2020/10/09
●2015 こころみノートンワイン・データシートPDF(プリントに最適です)