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2017 こころみシリーズ 第二楽章 ワイン・データシート

“こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい試みです。
 こころみ学園の葡萄畑では、1958年の開墾当初から、20世紀初頭の著名な葡萄栽培家川上善兵衛氏によって開発された日本固有の葡萄品種、マスカット・ベーリーAを育ててきました。そして現在は、栽培歴60年の経験を生かして、3つの自家畑・・・こころみ学園の葡萄畑山頂の開拓園と、1980年代に佐野市赤見に開墾した葡萄畑と、東北大震災の後、2012年に開いたテラスヴィンヤードでマスカット・ベーリーAを栽培しています。テラスヴィンヤードは、南〜南西面に開かれた葡萄畑で、表土が40㎝しかなく、水はけのよい葡萄畑です。また赤見の葡萄畑も同じように、南西向きの山の急斜面にあります。どちらの畑も似た特徴を持つためでしょうか、一般的なマスカット・ベーリーAと比べて粒が小さい葡萄から、よい花の香りのワインをつくることができました。そこで2017年は、こころみ学園開拓園の葡萄からつくられた「第一楽章」と分けてブレンドし、ビン詰してみました。
 「2017第二楽章」には豊かな花の香り、スパイス、果実など品種の特徴が十分に表れています。このワインは熟した果実の味わいと複雑さを大切に、清澄・フィルター処理を一切行なっていません。このワインをお飲みくだされば、いろいろな楽曲の第二楽章に、たおやかな名曲が多いことを思い出していただけることでしょう。

テクニカル・データ
品種: マスカット・ベーリーA 100%
畑: 栃木県足利市田島 こころみ学園
栃木県佐野市赤見 こころみ学園
収穫: 2017/10/25(栃木県足利市田島)
2017/10/30, 31(栃木県佐野市赤見)

収穫時の糖度 約20.9°Brix(平均)

醗酵: 2つの方法で野生酵母により醗酵させた。1つ目は、葡萄を約4割除梗しオークタンクに入れ、静置した状態で自重により葡萄がつぶれ、徐々に醗酵するよう促す。醗酵により出てきたアルコールによって果皮からの成分が程よく抽出されたことを確認後、プレス。2つ目は、全房でステンレスタンクに入れ、MC(マセラシオンカルボニック)を行う。約1ヶ月半後プレスした。その後、古樽内で野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を続ける。
熟成: フランス産オークの古樽で5ヶ月~5ヶ月半熟成。
瓶詰: オリ引き後、清澄せず無ろ過でビン詰。
ビン詰日: 2018/05/15 本数: 2,326 本 (750ml)
アルコール: 11.4 %   酸度: 0.48 g/100 ml   残糖: 0.11 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、にごりのある明るいルビー。イチゴ、カシス、フランボワーズ、シナモン、黒糖、MC由来の梗の香りもある。口中は、香りとの一体感があり、甘く華やかな印象主体で、なめらかさと程よい酸味があり、まとまりがいい。繊細で、ナチュラルな雰囲気があり、旨味がじんわりと続く。
料理との相性: 鴨のロースト オレンジ風味、焼鳥(タレ)、中トロのお刺身、カレイの煮付け、ピペラード、舞茸と牛肉のしょうゆ炒め、鶏レバーのウスターソース漬け、フレッシュチーズやシェーブル、最中、アポロ、ベリー系果実を使ったチーズケーキ
飲み頃: 今飲んでも美味しい。向こう3年は華やかさのあるまろやかな味わいを楽しめるだろう。いい状態で、5年ほど熟成させると、一体感が増して、熟成感が出てくるだろう。

2018/8/30

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MV171613 Kaze no Etude Wine Details

Japanese

Kaze no Etude is a gentle, dry white wine made from Chardonnay grapes mainly. As with many Chardonnay-based wines, the broad, rich mouthfeel and complex blend of fruit and earth aromas makes for very satisfying drinking. We’d recommend this with shellfish, fish or chicken in cream sauces, pork, and veal.

TECHNICAL DATA
VARIETY CHARDONNAY 90%, TANNAT 10%
VINEYARD Takayama, Nagano
Kaminoyama, Yamagata
Omachi, Nagano
HARVEST
DATE
26th September 2017(Chardonnay)
6th 8th 11th 14th October 2017(Chardonnay)
7th November 2016 (Chardonnay)
22nd October 2013(Chardonnay)
23rd September 2016(Tannat)

Brix @the Harvest(average): 20.5oBrix

BOTTLING Bottled on: 16th May 2018
The number of bottles: 9,876(750ml)
ANALYSIS
DATA
Alcohol: 11.5 %  Total acidity: 0.53 g/100 ml.
Residual Sugar: 0.2 %

21/Aug/2018

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MV171613 風のエチュード ワイン・データシート

English

 「風のエチュード」は日本各地から厳選された葡萄でつくられる辛口の白ワインです。今回は長野県高山村、山形県上山、長野県大町のシャルドネを中心につくられています。十分に熟してから収穫された葡萄は注意深く選果され、丁寧に搾られます。その後、果汁はステンレスタンクや樽に移され、野生酵母により醗酵させワインになりました。MVとはマルチヴィンテージの略。この「MV 風のエチュード」は、2013年と2017年産のシャルドネに伸びやかな酸味を加えるため2016年産のタナ(赤ワイン用葡萄品種) を10%ブレンドしています。
 「風のエチュード」は良いワインをつくるための様々な要素、良い土地、場所に適した品種、その年の気候、栽培家の情熱、丁寧な醸造、などがうまく組み合わさってできています。「エチュード」は音楽用語で「練習曲」という意味ですが、初心者のためのただ簡単な曲ではなく、演奏上達のためのたくさんの要素が詰まっています。エチュードという名前の名曲のように、多くの人々に親しまれる白ワインであることを願っています。

テクニカル・データ
品種: シャルドネ 90.0%
タナ 10.0%
畑: 長野県高山村 角藤農園(シャルドネ)
山形県上山 尾形畑(シャルドネ)
長野県大町 大北農業協同組合(シャルドネ)
山形県上山 尾形畑(シャルドネ)
長野県高山村 佐藤農園(タナ)
収穫: 2017/09/26 10/6,8(シャルドネ)
2013/10/22, 2016/11/7(シャルドネ)
2017/10/11(シャルドネ)
2017/10/14(シャルドネ)
2016/09/23(タナ)

収穫時の糖度 約20.5°Brix(平均)

醗酵: 房全体をやさしくプレスして得られた果汁をステンレスタンクに入れ、野生酵母にて約20℃の温度でゆっくりと醗酵させた。その後、一部は樽内で野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を続ける。
熟成: ステンレスタンク(8割)または樽(2割)にて貯蔵。
瓶詰: オリ引き後、無清澄・無ろ過でビン詰。
ビン詰日: 2018/05/16 本数: 9,876 本(750ml)
アルコール: 11.5 %   酸度: 0.53 g/100 ml   残糖: 0.2 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、淡いレモンイエロー。パイナップル、黄桃、蜜りんご、シトラス、バニラの香り。口中、アタックは、黄桃のようなフルーツと丸み、オークの風味がある。りんご、グレープフルーツなどの果実様の酸味がバランスよく支え合う。シャルドネらしい、ふくよかさとオークの香ばしさがじんわりと続く。
料理との相性: 出し巻き卵、ホタテのカルパッチョ、白身魚の青じそ風味天ぷら、イカフライ、蕪のそぼろ餡かけ、鮭とホウレン草の豆乳煮、キノコとサザエのブルゴーニュ風、カマンベールチーズ、洋ナシのコンポート、シュークリーム
飲み頃: 今飲んでも美味しい。向こう2年はフレッシュな味わいを楽しめるだろう。いい状態で、5年ほど熟成させると、一体感が増して、香ばしさや熟成感も出てくるだろう。

2018/8/28

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2016 こころみシリーズ ブラン・ド・タナ ワイン・データシート

 ”こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい試みです。異なる畑の様々な葡萄を使用したり、同じ葡萄品種で色々な造り方に挑戦したり、この種々な”試み”をぜひお楽しみください。
 「ブラン・ド・タナ」、直訳すると「タナの白」。この白ワインは、赤ワイン用のタナ種の葡萄からできています。タナはフランス南西部原産の葡萄で、赤ワインの渋味の元にもなる「タンニン」が語源となるくらい、渋味が強く、色も濃い、味わいのしっかりした赤ワインがつくられています。世界中のワイン産地から適地適品種の葡萄を探すなかで、高温多湿で日照量もそれほど多くない日本においても、他品種と比べて突出した色の濃さとタンニンを持つ葡萄に育っています。そんな葡萄で白ワイン!? 不思議に思う方も多いのではないかと思います。
 タナは渋味や色の濃さだけでなく、のびやかな芯のある酸味、ボディといった特筆すべき個性を持ち合わせています。特に長野県高山村の佐藤さんに育ててもらっているタナには、土地の特徴である鉱物のような味わいを感じ取ることができます。これらは、渋味以外は白ワインの魅力として明確な特徴です。私たちは、赤ワインとしての魅力が強いタナの印象にとらわれてしまい、この葡萄がおいしい白ワインになる可能性を見逃していました。
 白ワイン用の葡萄で、赤ワインのように果皮と種を一緒に発酵させる「甲州F.O.S.(Fermented on Skins)」。この逆の発想で、赤ワイン用の葡萄で、白ワインのように果皮と種を取り除いてジュースのみを発酵させた白ワインが「ブラン・ド・タナ」です。果汁のみを醗酵させることで、渋味がほとんどなく、豊かな酸とボディを持つワインになりました。赤ワイン、白ワインといった分類や製法にとらわれず、葡萄が持つさまざまな魅力を引き出すことは、私たちのテーマの一つです。新しいチャレンジをお楽しみいただければ幸いです。

テクニカル・データ
品種: タナ 100%
畑: 長野県高山村 佐藤農園
収穫: 2016/09/23
収穫時の糖度 約18.7°Brix(平均)
醗酵: 房全体をやさしくプレスして得られた果汁をステンレスタンクに入れ、野生酵母にて約16~20℃の温度で約1ヶ月間半ゆっくりと醗酵させた。その後、樽内で野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を続ける。
熟成: 樽で約10ヶ月、ステンレスタンクで約6ヶ月半熟成。
瓶詰: オリ引き後、清澄せず無ろ過でビン詰。
ビン詰日: 2018/03/28 本数: 296本(750ml)
アルコール: 12.0 %   酸度: 0.70 g/100 ml.   残糖: 0.09 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、少し赤みがかったイエロー。アセロラやチェリー、レモン、グレープフルーツ、りんごの皮様の渋味を想起する香りも。口中も、香りとの一体感があり、一貫した酸味を主体に、赤ブドウ由来のほのかな渋味やオークの風味、塩気も感じられ、程よいコクと複雑さがある。
料理との相性: ニンジンのラペ、レモンクリームパスタ、塩焼きチキンのエスニックハーブソース、秋刀魚の塩焼き、鮎の春巻き、イカとセロリの柚子胡椒炒め、スズキのセビチェ、ブリー・ド・那須やコンテ、レアチーズケーキ、グレープフルーツのジュレ
飲み頃: すっきり飲みたいなら、よく冷やして。ふくよかさを楽しみたいなら、セラー温度くらいで。向こう2年はフレッシュな味わいを楽しめるだろう。いい状態で、5年ほど熟成させると、一体感が増して、まろやかさが出てくるだろう。

2018/08/29

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2017 いまここ 白 ワイン・データシート

 足利に生まれ生きた相田みつを氏の書をラベルにした「いまここ白」 は、私達のつくる最も親しみやすい白ワインです。アペリティフに良し、のんびりとした午後に1杯飲んでも良し。その柔らかく、やさしい口当たりとフレッシュなハーブや花の香りは、ワイン初心者の方にはもちろん、鋭い味覚の持ち主にも喜ばれるでしょう。
 葡萄は山梨や長野を中心に、各地の契約栽培農家から特別にセレクト。野生酵母による醗酵の後、低温で醗酵を止めることによって果実の新鮮さを維持するようにしました。また甲州種にシャルドネ種などを加えてコク、幅を加えました。ワインの余韻は少し甘く、丸みを帯び、典型的な甲州種の苦みが口中に爽やかさを残します。日本固有の葡萄品種・甲州種主体のこの白ワインは、和食や、日本の毎日の食卓のお料理にもよく合います。

テクニカル・データ
品種: 甲州 78.4%
シャルドネ 11.0%
デラウェア 5.3%
竜眼 3.0%
北天の雫 2.3%
畑: 山梨県甲州市勝沼
長野県大町
長野県高山村
山梨県韮崎市穂坂
長野県安曇野
茨城県つくば
収穫: 2017/9/20, 26, 27 10/3,24
2016/10/11
2016/9/29
2017/8/14
2017/10/23
2017/8/30

収穫時の糖度 16.6°Brix(平均)

醗酵: 傷んだ実や未熟な実を取り除き、除梗した後やさしくプレスする。甲州は果汁をハイパー・オキシデーションし、えぐみを柔らかくする。オリを沈め、澄んだジュースをステンレスタンクに移し野生酵母で醗酵。甘味と酸味のバランスがちょうど良いタイミングでタンクを冷却して醗酵を止める。
熟成: ステンレスタンクにオリ引きし、低温で約4ヶ月熟成。
瓶詰: 清澄せず、ろ過してビン詰。 ビン詰日:2018/02/14, 15, 16
アルコール: 10.9 %  酸度:0.73 g/100 ml  残糖:1.3 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
メロン、りんご、ビワ、甘く華やかな香り。口当たりがソフトで、フレッシュな酸味があり、それを優しい甘さが包んでいる。アフターに、グレープフルーツの皮のような、ほろ苦さがあり、味わいを引き締めている。
料理との相性: 海老しんじょ、おでん、ざる蕎麦、鰆の粕漬け、里芋のゆず味噌煮、芙蓉蟹(かに玉)、そば粉のガレット、白菜とハムのクリーム煮、白カビのチーズ、アプリコットのタルト、果物を使ったロールケーキ
飲み頃: 冷蔵庫で冷やした温度だと、スッキリとした印象に。温度を高くすると、甘さが強まる。今から1年くらいは、フレッシュな印象を楽しめるだろう。いい状態で保管できたら、5年から7年の熟成で、香ばしさが出てきつつ、まとまりと熟成感が出てくるだろう。

2018/8/13

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2016 古澤 赤 ワイン・データシート

 「Iwao Furusawa 赤」は、日本の山形、山梨、長野、栃木などの優れた葡萄栽培家の畑で育った葡萄から造られました。葡萄の品種はメルロやカベルネ・ソーヴィニョンといったボルドー品種や、日本固有の赤ワイン用葡萄、マスカットベーリーAが中心です。これらの葡萄から一粒一粒を丁寧に選果して、野生酵母で醗酵させました。カベルネやメルロの果実味、ストラクチャー、樽熟の甘い香り・・・。ヴァイオリニスト古澤巌の自由闊達でのびのびとした演奏を聴きながら飲みたい赤ワインです。

テクニカル・データ
品種: メルロ 45.6%
マスカット・ベーリーA 26.7%
カベルネ・ソーヴィニョン 25.3%
その他 2.4%
畑: 山形県上山
山梨県甲州市勝沼
長野県高山村
長野県須坂
栃木県栃木市大平
収穫: 2016/9/7,9,13,15,16,26 10/7(メルロ)
2016/9/9,12,20,25 10/10,18,20,(マスカット・ベーリーA)
2016/10/22,27 2015(カベルネ・ソーヴィニョン)
2016(その他)

収穫時の糖度 約19.2°Brix(平均)

醗酵: 熟した葡萄をココ・ファーム・ワイナリーで選果して、より良い房のみを除梗しステンレスタンクに入れ、野生酵母で醗酵させる。十分に皮から成分を抽出するため、高めの温度を維持し、ルモンタージュしながら1週間から2週間醸す。その後マストを搾り、ワインを皮と種から分け、木樽、オークタンク、ステンレスタンクに移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。
熟成: 木樽、オークタンク、ステンレスタンクで約7ヶ月半熟成後、軽くろ過してビン詰。
瓶詰: ビン詰日: 2017/6/14, 15, 16, 17, 19, 20 本数: 10,890本(375ml ) 52,857本(750ml )
アルコール: 11.5 %   酸度: 0.54 g/100 ml   残糖: 0.12 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
香りはクランベリー、ラズベリー、ブラックベリー、カシスなどの果実と、土などの複雑な香りを感じる。口当たりはライトで果実味豊かな印象。熟した果実の味わいとスパイスを感じ、程よい酸味とほのかな樽の風味が、このやさしいワインに、しなやかさと複雑味をあたえている。
料理との相性: 小羊の香草焼き、鴨のグリル、ローストポーク、焼鳥(たれ)、ミートソースのパスタ、トマトと茄子のチーズグラタン、ピザ、ハンバーグ
飲み頃: 2020年頃には熟成によって、よりなめらかで複雑なワインとなるだろう。

2016 古澤 赤ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2017 こころみシリーズ ルビーの泡 ワイン・データシート

 “こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい試みです。異なる畑の様々な葡萄を使用したり、醸造法をためしたこの限定発売プログラム。この私たちの“試み”をぜひお楽しみください。
 良いスパークリング・ワインにはしっかりとした豊かな酸が必要不可欠です。しかし、豊かな酸だけでなく、瑞々しい果実や鉱物のような味わいといった、酸味とよい相性をつくれる味わいもとても重要な要素です。
 小公子という山葡萄系の葡萄品種は、色が濃いのにタンニンが少なく、豊かな酸味とプラムのような味わいが特徴です。佐野市赤見にあるこころみ学園の畑は、関東ローム層を中心に様々な石が入り混じった土壌です。ここで育った小公子は、他の葡萄畑よりも鉱物のような味わいが出やすい傾向にあります。比較的涼しい夏だった2017年は、例年よりもしっかりした酸味が維持され、スパークリング・ワインに適した葡萄が収穫できました。そこでブレンドせずに、繊細なプラムの風味とスパークリング・ワインとしての味わいのバランスが整うまでビン内で醗酵・熟成させ、手作業でルミュアージュしてデゴルジュマンで澱を抜きました。タンクでの醗酵期間は約2週間。ビン内醗酵期間は11ヶ月間。この豊かな細かい泡は野生酵母だけで造られたものです。 
 透きとおるルビー色、きれいな酸味と繊細なプラムの風味。夏の涼のために、よく冷やしてどうぞ。

テクニカル・データ
品種: 小公子 100%
畑: 栃木県佐野市赤見 こころみ学園
収穫: 2017/08/09、22

収穫時の糖度 約16.6°Brix(平均)

醗酵: 葡萄を房ごと搾り、ジュースをステンレスタンクに入れ、野生酵母により醗酵が始まるのを待つ。約15℃~20℃の温度を保ち、醗酵後、状況を確認しながらオリ引きを数回行うことで、果実の香りをよりクリアに引き出す。
熟成: オリ引き後、補糖を行った上でビン詰し、ビン内醗酵を行いながら約11ヶ月熟成。
瓶詰: ビン詰日: 2017/08/28 (ティラージュ) 2018/07/31(デゴルジュマン)  本数: 577本
アルコール: 10.6 %   酸度: 1.05 g/100 ml   残糖: 0.56 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、クリアな紫がかった明るいルビー。泡は、いきおいよく立ちのぼリ、強め。フレッシュなスモモ、サクランボ、赤いリンゴの香りがあり、少し大葉のような香りもある。口中は、赤いリンゴを丸かじりしたような果実感、レモンのようなシャープさ、酵母からの旨みがあり、リンゴの皮様の苦味が全体を引き締めている。軽やかで、すっきりとした味わい。
料理との相性: 生ハムとピーチ、ビーツ・ざくろ・マグロのサラダ、イワシとフェンネルのパスタ、バインセオ、鶏の大葉巻き天ぷら 梅肉ソース、ジェノベーゼのパスタ、プティトマトとアスパラの青じそマリネ フレッシュチーズやリコッタにハチミツをそえて、りんご飴、スモモや白桃のコンポート
飲み頃: 今飲んでも美味しい。向こう2年はフレッシュな味わいを楽しめるだろう。暑い時期は、冷蔵庫やワインクーラーなどでよく冷やすことをすすめる。太陽の下でのピクニックやBBQのお伴にも。いい状態で、5年ほど熟成させると、一体感が増して、まろやかさが出てくるだろう。

2018/8/1

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2016 山のプティ・マンサンF.O.S ワイン・データシート

 “こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい試みです。異なる畑の様々な葡萄を使用したり、同じ葡萄品種で色々な造り方に挑戦したり、この種々な“試み”をぜひお楽しみください。
 プティ・マンサンは、華やかな香りと豊かな酸が特徴的な葡萄品種です。私たちはこの明瞭な特徴をもつ葡萄から、魅力的なワインができる手ごたえを感じ、今までシンプルな醸造を心がけてきました。しかし、ある時ふと疑問に思ったのです。その魅力に頼ってしまい品種の持ち味を出しきれているのかと。
 プティ・マンサンは粒が小さく、ワイン用葡萄の中でも果皮が占める割合が多い品種です。特に山形の契約農家さんの畑で育ったプティ・マンサンは香りが強く、粒も小さめ。そこでこの葡萄をすぐに圧搾しないで、赤ワインのように果皮の成分を生かすつくりをしてみたら、別の魅力が引き出されるかもしれない・・・そう考え、プティ・マンサンを果皮と一緒に醗酵してみることにしました。甲州F.O.S.(Fermented on Skins)のワインをつくってきた経験もこのこころみを後押ししました。さて、プティ・マンサンのF.O.S.は? 長い間成長を見守ってきたプティ・マンサンの栽培と、醸し醗酵のF.O.S.。二つのこころみの結果をお楽しみいただければ幸いです。

テクニカル・データ
品種: プティ・マンサン 100%
畑: 山形県上山 尾形畑
収穫: 2016/10/21

収穫時の糖度 約23.0°Brix(平均)

醗酵: 赤ワインと同じように葡萄を除梗し、ステンレスタンクまたは甕に入れ、果皮の様子を見てピジャージュしながら8~12日間醸す。醗酵により出てきたアルコールによって果皮からの成分が抽出された事を確認し、プレス。
熟成: 醗酵終了後、樽で約16ヶ月半熟成。
瓶詰: オリ引き後、清澄せず無ろ過でビン詰。
ビン詰日: 2018/03/28 本数: 589本(750ml)
アルコール: 12.1 %   酸度: 0.62 g/100 ml.   残糖: 0.19 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、少しにごりがある黄金色がかったイエロー。カリン、オレンジピール、カモミール、ハチミツ、バニラ、クローブ様の香りもある。口中も、カリン、オレンジピール、ハチミツ、柑橘の皮や煮出した紅茶のような渋味と旨味をともなう厚みのある味わいで、オークの風味と程よい酸味が余韻まで続いていく。
料理との相性: ジャーマンポテト、焼きシュウマイ、いぶりがっこと柿のクリームチーズ和え、スペイン風オムレツ、イカと魚介のパエリア、鮭のムニエル、メンチカツ、サンバル、鶏肉のローズマリー風味オーブン焼き、ミモレットやコンテの少し熟成しているもの、ドライフルーツを使ったパウンドケーキ
飲み頃: 冷やし気味の温度から始めて、温度を上げながら、ゆっくり味わいの変化を楽しんでほしい。いい状態で、3年から5年ほど熟成させると、一体感がでてきて、なめらかさとフルーツ感が増してくるだろう。

2018/8/1

2016 山のプティ・マンサンF.O.Sワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2016 いまここ ロゼ ワイン・データシート

足利に生まれ生きた相田みつを氏の書をラベルにした「いまここロゼ」 は、フレッシュで複雑味があり、赤い果実とほのかな土の香りが調和した素晴らしいロゼワインです。ブレンドには、新鮮さと深みを蓄えた、厳重に選別されたブドウを数種使用しています。また、料理の良きパートナーで幅広く多彩な料理に合わせられます。

テクニカル・データ
品種: カベルネ・ソーヴィニョン 44.0%
メルロ 20.8%
マスカット・ベイリーA 17.0%
セイベル 10.1%
その他 8.1%
畑: 山形県上山
長野県高山村
山梨県甲州市勝沼
北海道厚沢部
長野県須坂
栃木県大平
山梨県穂坂
栃木県佐野市赤見
収穫: 2016/9/15, 16, 19, 26, 27   10/4, 6, 7, 8, 9, 10, 12, 13, 16, 18, 20, 22, 26, 27, 31
醗酵: ブドウの実を傷つけないように除梗し、やさしくプレス。時間をかけ丁寧に搾られた、
フルーティーで旨みのあるジュースに、コクを出すため若干補糖する。フレッシュな果実味を保つために、低温で 2~3週間かけてじっくり野生酵母で醗酵。
熟成: ステンレスタンクにオリ引きし、低温で約4ヶ月熟成後ブレンド。
ろ過後、ビン詰。
瓶詰: ビン詰日: 2017/3/15, 16  本数: 15,091 本 (750 ml)  3,786本 (375 ml)
アルコール: 10.4 %  酸度: 0.53 g/100 ml  残糖: 1.4 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
「いまここロゼ」は、ほんのり甘いロゼワイン。色は淡い桜色。香りはさくらんぼ、苺のシロップなどの綺麗でフレッシュな印象とともに香ばしさも感じる。口中は、優しい果実の香りが優しく広がり、さくらんぼ、ラズベリーやチェリーなどの素直なやわらかい果実味たっぷりの味わい。
料理との相性: 酢豚、生ハムとメロン、ポークソテー フルーツソース添え、クリームチーズのスモークサーモン巻き、フルーツの盛り合わせ、ラタトゥイユ、カレー、タイ風春雨サラダ
飲み頃: 2019年頃まで若くフレッシュな味わいを楽しめる。熟成により、さらにやわらかい味わいになるだろう。

2018/7/27

2016 いまここ ロゼワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2017 古澤 白 ワイン・データシート

「Iwao Furusawa 白」は、北海道余市のミュラー・トゥルガウ種やバッカス種、ケルナー種、山形県上山のシャルドネ種、長野県高山村のソーヴィニョン・ブラン種など、日本各地の優れた葡萄栽培家の畑から生まれました。これらの白ワイン用葡萄は、どれも個性的な香りとしっかりとした酸味を持っています。よい葡萄のおかげで、このワインはいたってシンプルに造ることができました。はじめによく選んだ葡萄を軽く搾り、果皮と種を取り除いたジュースをステンレスタンクに入れ醗酵させました。その後ブレンドし、タンクで約2ヶ月半熟成した後、澱引きし、ろ過してビン詰しました。
 フルーティ、デリケート、クリーン、口当たり爽やかな酸味・・・この白ワインは、青魚のお寿司や海産物、また鶏肉やセミハードチーズなどのお料理など、和食だけではなく、バラエティ豊かな日本の食卓によくあいます。よく冷やしてお召しあがりください。1日の終わり、ヴァイオリニスト古澤巌のバラエティに富んだ切れの良い演奏を聴きながら、この「日本の小粋な白ワイン」を飲むひとときは、至福のひとときと申せましょう。

テクニカル・データ
品種: ミュラー・トゥルガウ 40.8%
シャルドネ 22.7%
ソーヴィニョン・ブラン 14.2%
バッカス 12.0%
ケルナー 10.3%
畑: 北海道余市
山形県上山
長野県高山村
収穫: 2017/9/25 10/4, 11, 18(ミュラー・トゥルガウ)
2017/9/28 10/3(シャルドネ)
2017/9/12, 21(ソーヴィニョン・ブラン)
2017/10/4(バッカス)
2017/10/18, 22(ケルナー)

収穫時の糖度:19.5°Brix(平均)

醗酵: 除梗した葡萄をやさしくプレスして、ステンレスタンクに入れる。葡萄の香りを逃がさないように液温20℃以下に保ち、ゆっくりと醗酵させた。シャルドネは野生酵母にて、それ以外は培養酵母および酵母の栄養源を添加し醗酵させた。
熟成: ブレンドし、タンクで約2か月半熟成。その後、澱引きし、ろ過を行った。
瓶詰: ビン詰日: 2018/3/7, 8, 9  本数: 22,183本 (750ml) 10,695本 (375ml)
アルコール: 12.5 %   酸度: 0.52 g/100 ml   残糖: 0.08 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
青りんご、グレープフルーツ、グリーンアスパラ様のグリーンなノート、ラムネ、白い桃、フレッシュでフルーティなアロマがあり、ドライで、さっぱりとした味わい。柑橘の白い皮のような苦味もあり、味わいを引き締めている。
料理との相性: 茹でたグリーンアスパラ 半熟卵をソースにして、鶏ささみの柚子胡椒風味、雲丹クレソン、蛤のワイン蒸し、イワシのサルサソース、桜海老と新たまねぎのかき揚げ レモン塩で、稚鮎の天ぷら、みのり(今牧場)、エメンタールなどセミハードチーズ
飲み頃: 冷蔵庫で冷やして、スッキリとした印象を楽しんでいただきたい。今から2年は、フレッシュな印象を楽しめるだろう。いい状態で保管できたら、5年から7年で、香ばしさが出てきつつ、熟成感も現れてくるだろう。

2017 古澤 白ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)