“こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい試みです。
フランス南西部原産のプティ・マンサンを足利で育てて18年、一年一年この土地におけるプティ・マンサンがどのような性格なのかを知るために、この葡萄と対話を進めてきました。
初めは果実の風味が溢れる果汁から白ワインを造りました。次にこころみシリーズとして皮の味わいに注目したアンバーワイン(オレンジワイン:プティ・マンサンF.O.S.)を造ってみました。それから微発泡のペティアンや野生酵母が冬を越して甘さを残したデザートワインのようなシエスタ……それでもまだ私たちは十数回ワインを造っただけでプティ・マンサンを十分理解できたようには感じていません。もっと知りたい。注目しきれていない性格がある。そうして新たなこころみを続けています。
このプティ・マンサン スパークリングは、プティ・マンサンの酸に注目したワインです。暑い足利の土地でも十分な酸と高すぎない糖度をあわせもった葡萄は、スパークリングワインに重要な性格のひとつを満たしているといえます。
「2018プティ・マンサン スパークリング」は、果実由来の硬質感のある酸味、果実の風味、ビン内醗酵やビン内熟成によるナッティな香ばしい香りと厚みのある旨味。足利の自家畑のプティ・マンサン100%、野生酵母のみでビン内醗酵させ、(通常ビン内二次醗酵のために使われる)培養酵母は加えていません。酸とのバランスのとても良いやや甘口に仕上がりました。
力強い果実の風味を持つプティ・マンサンは、食前酒に使用されるスパークリングワインとしてだけでなく、食中酒として色々なお料理を引き立てながら、充分お楽しみいただけることでしょう。
テクニカル・データ | |
品種: | プティ・マンサン 100 % |
畑: | 栃木県足利市田島 こころみ学園 |
収穫: |
2018/08/28 収穫時の糖度(平均)約20.6°Brix 収穫方法:手摘み |
醗酵: | 房ごと葡萄をやさしくプレスして、ステンレスタンクに入れる。葡萄の香りを逃がさないように18℃位で約2~3週間、野生酵母で醗酵させた。 |
熟成: | 澱引き後、酵母を添加せずビン詰し、ビン内発酵を行いながら約45カ月間熟成。 |
瓶詰: |
ビン詰日: 2018/09/22(ティラージュ) 2022/07/12 (デゴルジュマン) 本数: 450本 アルコール: 11.3 % 酸度: 6.6 g/L 残糖: 17.9 g/L |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いは輝きのあるゴールド、ビン内発酵由来の細かな泡が勢いよく立ち昇る。りんご、パイン、ドライアプリコットの香りにローリエや生姜、蜂蜜など熟した印象も加わり複雑。味わいは、フレッシュで伸びのある酸と優しい甘みが調和し、澱からくる旨味がアクセントになり心地よい余韻がゆっくりと続いていく。 |
料理との相性: | クレソンサラダ、トウモロコシのヴルーテ、マッシュルームのアヒージョ、百合根饅頭、ふぐ白子豆腐、焼き蟹、鰻の白焼き、甘鯛の松笠焼き、太刀魚のムニエル、蒸し鮑肝ソース、さやいんげんの天婦羅、鱧の湯葉巻き揚げ、鱒寿司、杏のコンポート、ヌガーグラッセ |
飲み頃: |
2022年~2024年は、冷蔵庫や氷水でよく冷やしすっきりとした味わいを楽しんだら、熟した香りを楽しむため、ゆっくりと温度変化を楽しみながら味わうことをお勧めする。 2025年~2028年は、熟成により複雑性と持続性が増し味わいの向上が期待できる。 |
2022/07/22
●2018 プティ・マンサン スパークリングワイン・データシートPDF(プリントに最適です)