今回のこころみシリーズは、北海道余市のソーヴィニョン・ブラン、ゲヴュルツトラミナー、ピノ・グリなど、冷涼な気候に適したいろいろな白ワイン用葡萄から造られています。余市では栽培例の少ないこれらの品種を新しく始めるのは勇気のいることです。ベテランの藤澤さんを中心に、才川さんや荒さん、舟窪さんたち熱心な農家さんたちのおかげで「2021雲の時間」が誕生しました。ソーヴィニョン・ブランをはじめ、樹もまだ若いです。そして、この葡萄でのワイン造りの経験もまだまだ足りませんが、私たちは、これらの葡萄とそのワインの可能性を大いに感じています。
余市でのこの新しいチャレンジからできたワインをぜひ楽しんでみてください。ゆったりと流れる雲を見ているような「こころみシリーズ 雲の時間」です。ワイン名は、萩原朔太郎の散文『虚無の歌』(「四季」1936年5月号)のなかの「雲を見てゐる自由の時間」という言葉からイメージをいただきました。
テクニカル・データ | |
品種: | ソーヴィニョン・ブラン 75% ゲヴュルツトラミナー 23% ピノ・グリ 2% |
畑: | 北海道余市 才川農園、藤澤農園、荒農園、舟窪農園 |
収穫: | 2021/09/27 収穫時の糖度(平均)約21.3°Brix 収穫方法:手摘み |
醗酵: | 2つの方法で仕込んだ。1つ目はフリーランの果汁のみをステンレスタンクに入れ液温を23℃以下に保ち、野生酵母で約3週間醗酵。2つ目は除梗した葡萄をタンクに入れ一晩スキンコンタクトした後にやさしくプレス。葡萄の香りを逃さないように液温を19℃以下に保ち、野生酵母で約1カ月醗酵させた。一部品種については混醸した。 |
熟成: | 醗酵終了後、ステンレスタンクで約5~6カ月熟成。その後、澱引きしてブレンドを行った。 |
瓶詰: | 澱引き後、無濾過・無清澄でビン詰。 ビン詰日:2022/04/20 本数:2,200本(750ml) アルコール:12.6% 酸度:6.2 g/L. 残糖:1.3g/L. |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
香りはグレープフルーツや黄桃、マンゴスチンの果実に、ユーカリやジャスミン、レモングラス、ヨーグルトなどの香りが広がる。味わいは、アタックは柔らかで火打石や鉱物的なニュアンスも感じられ、全体的にさわやかな果実とシャープな酸、余韻に引き締まるほろ苦さが続いていく。 |
料理との相性: | トマトファルシ、鶏ササミとパクチーのサラダ、桃と生ハムのカプレーゼ、松茸の土瓶蒸し、ムール貝の白ワイン蒸し、ワカサギのフリット、秋刀魚の炭火焼き、豚バラ肉のミルフィーユ鍋、胡麻肉団子の甘酢和え |
飲み頃: | 2023年から2025年は、フレッシュな果実味のある味わいが続く。 2026年からは、熟成により渋みが落ち着き一体感が出てくるだろう。 |
2022/09/05
●2021 雲の時間ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)