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MV ロバの足音 ワイン・データシート

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この「ロバの足音」は、長い時間と膨大な手間をかけて造られた、豊かなデザートワインです。原料となる日本固有の葡萄品種・甲州種は、古くから大変お世話になっている勝沼の契約栽培農家さんたちの畑で、収量を低く制限された葡萄(35hl/ha)で、完熟を待って10月下旬~11月上旬頃収穫されます。
「MVロバの足音」のMVとはマルチヴィンテージの略で、2010年収穫の甲州種34%、2011年収穫の甲州種66%から構成されています。どちらの収穫年も選りすぐりの果粒のみを使用しこころみ学園ならではのユニークな方法で乾燥させました。その乾燥方法とは、葡萄の外側だけでなく中身もまんべんなく乾かすために手作業で1~5粒ずつ軸ごとハサミでカットし、干椎茸用のエビラに平らに並べ、そのエビラごと椎茸乾燥機で乾燥させる方法です。乾燥により葡萄の糖度は約16度から40度台まで凝縮。この乾燥し糖度が凝縮した葡萄は、通常の圧搾機では圧搾しにくいため、清潔な長靴を履いて踏んで潰しタンクに入れ、果皮や種とともに醸し醗酵(マセラシオン:Maceration)させました。その後果皮と種を取り除き、樽に入れた果汁は換算すると15hl/haという希少なもの。野生酵母により約18℃で始まった醗酵は両年ともその高い糖度のため約6カ月程度続きました。醗酵終了後は澱引きせずそのまま熟成。醗酵がはじまってから約10年経ってようやくビン詰できました。貴腐ワインやアイスヴァイン、そしてヴィン・サントなど素晴らしく甘いワインへの敬愛のもと造られた日本のデザートワインです。

テクニカル・データ
品種: 甲州 100%
畑: 山梨県甲州市勝沼 芳王遊覧園 秋玉園
収穫: 2010/10/30
2011/10/23, 28
乾燥後の糖度 約40~45°Brix
収穫方法:手摘み
醗酵: 干した葡萄をプレスし、フレンチオークの木樽で醗酵。
約18℃の温度で約 6カ月醗酵が続く。
熟成: 醗酵終了後、澱引きせずにそのまま2021年3月まで熟成。
瓶詰: 澱引き後、濾過しながらビン詰。 ビン詰日: 2021/04/07  本数: 1,197本(375ml)
アルコール:14.4 %   酸度: 8g/L.   残糖: 182g/L.
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは茶色がかった琥珀色。香りは柿やアンズ、梅の果実に、黒蜜やキャラメル、松脂、干し草、鉛筆の芯などが複雑に感じる。口当たりは甘口で濃密。甘やかさの中にアルコールの辛さや酸味が溶け合って、余韻に心地よい渋みを感じる。
料理との相性: フォアグラのテリーヌ ラズベリーのソース、鶏レバーのムース グリヨットと共に、クレープ・シュゼット、パン・デ・ピス、ババ・オ・ラム、クレーム・ブリュレ、みたらし団子、信玄餅、ブルーチーズにハチミツを添えて
飲み頃: 今から、すぐに楽しめる。セラー温度ぐらいが好ましいが、冷蔵庫で冷やしてから、温度を上げつつ、ゆっくり楽しんでほしい。開栓後も、ゆるやかに酸化するので、しばらくは楽しめる。いい状態で保存できるなら、向こう20年以上熟成できるだろう。

2021/04/21

MV ロバの足音(21年詰)ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)