「陽はまた昇る」はタナ種を主体にした赤ワイン。タナ(Tannat)の名はタンニン(Tannin)に由来し渋みが特徴です。年間の雨量が多いフランス南西部マディラン地方の主要な葡萄品種で、現地ではこの葡萄から色が濃く果実味豊かで渋味のしっかりとした長期熟成タイプのワインが数多く造られています。私たちはこの葡萄なら日本でもうまく育つだろうと考え、まず始めに足利にこの品種を植えました。その後、可能性を探るべく山形と長野の契約農家に栽培をお願いしたところ初めての品種にもかかわらず栽培を快諾してくださいました。そして土地との相性もさることながら、彼らの経験と技術によってわずか数年のうちに素晴らしい葡萄が収穫できるようになりました。醸造場では葡萄の良さを生かすためシンプルな造りを心がけました。タナ種の果実味や渋味、酸味、カベルネ・ソーヴィニョン種とピノ・ノワール種の柔らかな口当たりが調和した力強く優しい赤ワインになりました。
テクニカル・データ | |
品種: |
タナ 85% カベルネ・ソーヴィニョン 14% ピノ・ノワール 1% |
畑: |
山形県上山 南果連、佐竹畑、木村畑/長野県高山村 佐藤農園(タナ) 山形県上山 小松畑、 南果連(カベルネ・ソーヴィニョン) 北海道余市 才川農園(ピノ・ノワール) |
収穫: |
2019/10/10, 23, 24(タナ) 2019/10/28(カベルネ・ソーヴィニョン) 2019/10/09(ピノ・ノワール) 収穫時の糖度(平均):約21.7° Brix |
醗酵: | 熟した葡萄を除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。ルモンタージュを行いながら、徐々にマストを温めてゆく。2、3日すると野生酵母による醗酵が自然に始まる。醗酵は高めの温度で進み、残糖がなくなるまで続く。注意深くルモンタージュを続けながら、十分な色素と風味を抽出する。約2~4週間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、木樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | オークの木樽で約12カ月熟成。 |
瓶詰: |
澱引きし、無清澄・無濾過でビン詰。 ビン詰日: 2020/12/23, 24 本数: 12,311本(750ml) アルコール: 12.7 % 酸度: 6.1 g/L. 残糖: 1 g/L. |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いは紫がかったガーネット、香りはダークチェリーやカシスの黒い果実に、黒コショウやシナモンのスパイス、なめし皮、石灰、スモーキーな香りも複雑に感じる。味わいはがっしりとしたタンニンと伸びやかな酸のバランスを感じる。グラスに注いだ後に時間をかけてゆっくり味わいたい。 |
料理との相性: | こころみ学園産原木栽培椎茸のソテー、ポーチドエッグ、きんぴらごぼう、豚肉のリエット、穴子の蒲焼き、鶏肉と卵のすっぱ煮、豚ひき肉のクミンパスタ、レバニラ炒め、仔羊のロティ、ブフブルギニヨン、牛肩ロースのグレイビーソース |
飲み頃: |
2021年~2024年は、果実味とフレッシュな酸を感じる清涼感のある味わいが続く。 2025年からは熟成によりタンニンが滑らかになり、旨味や香ばしさ主体の味わいへと変わっていくだろう。 |
2021/09/28
●2019 陽はまた昇るワイン・データシートPDF(プリントに最適です)