「ロバの足音」は干して半乾燥させた甲州種によるデザートワインで、イタリア全土で産出される力強くも素朴なワイン「ヴィン・サント」への敬意のもと造られました。
ブドウは収量を低く制限し(35hl/ha)、できる限り遅い11月上旬頃収穫され、椎茸栽培用乾燥機を使って乾燥します。乾燥により糖度が約16oBrixから30~40oBrixまで凝縮されたブドウは、小型タンクに移され、ドイツにおけるトロッケンベーレンアウスレーゼの手法と同様に、前年産のワインで潤し数日間マセラシオンします。圧搾して得られる果汁は非常に微量で、換算すると15hl/haという希少なものです。酵母が活性する比較的高い温度(約18℃)で発酵は始まり、その高い糖度のため約6ヶ月続きます。発酵終了後、酵母が安定したら澱引き、そして熟成。発酵が始まってから約11年後、ようやく瓶詰めの段階となります。年によっては瓶詰前に軽くフィルター濾過を行います。
テクニカル・データ | |
品種: | 甲州 |
畑: | 山梨県勝沼、栃木県足利市田島 |
収穫: | 2006, 2009, 2011 仕込み時の糖度: 39.5oBrix |
醗酵: | 干したブドウをプレスし、乾燥酵母を使用して、フレンチオーク木樽にて発酵。 約18℃の温度で約 6ヶ月発酵が続く。 |
熟成: | フレンチオーク古樽で約76ヶ月熟成。澱引き処理。 清澄をせず、ろ過しながら瓶詰を行った。 |
瓶詰: | 瓶詰日:2014/7/18 本数: 478 本(375ml) アルコール: 14.58% 酸度: 0.769g./100 ml. 残糖:8.8 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
ロバの足音は、たいへん力強く、これからの熟成に大きな期待の持てるデザートワイン。色調は琥珀を帯びた深い黄金色で、エキス分の高さからくるもの。香りは情熱的。干したアンズや、蜂蜜、かりん、ビターオレンジ、あずきバー、きなこ、メープルシロップといったものが感じられる。しっかりしたボディーと余韻の長さを持ちつつ、やさしくソフトな印象。豊かな甘味、十分なアルコールと爽やかな酸味を感じ、バランスはよくとれている。 |
料理との相性: | 甘いデザート、重めのチーズなど:オレンジタルト、クリーム・ブリュレ、ティラミス、ビスコッティー、青カビチーズ、パルメザン・チーズ、信玄餅 |
飲み頃: | 現在から20~30年後:長期熟成が可能。円熟した奥深いワインとなるであろう。 |
2014/08/05
●MV ロバの足音(2014年詰め)ワイン・データシートPDF(プリントに適しています)