今回のこころみシリーズは、北海道余市のソーヴィニョン・ブラン、シルヴァーナー、ゲヴュルツトラミナーなど、冷涼な気候に適したいろいろな白ワイン用葡萄からつくられています。余市では栽培例の少ないこれらの品種を新しく始めるのは勇気のいることです。ベテランの藤澤さんを中心に才川さんや荒さんたち、熱心な農家さんたちのおかげで「2019雲の時間」が誕生しました。ソーヴィニョン・ブランをはじめ、樹もまだ若いです。そして、この葡萄でのワインづくりの経験もまだまだ足りませんが、私たちは、これらの葡萄とそのワインの可能性を大いに感じています。
余市でのこの新しいチャレンジからできたワインをぜひ楽しんでみてください。ゆったりと流れる雲を見ているような「こころみシリーズ 雲の時間」です。ワインの名前は、萩原朔太郎の散文『四季』1936年のなかの「雲を見てゐる自由の時間」という言葉からイメージをいただきました。
テクニカル・データ | |
品種: |
ソーヴィニョン・ブラン 68% シルヴァーナー 25% ゲヴュルツトラミナー 3% ピノ・ノワール 2% ピノ・グリ 2% |
畑: |
北海道余市 才川農園(ソーヴィニョン・ブラン) 北海道余市 藤澤農園(ソーヴィニョン・ブラン、ゲヴュルツトラミナー、ピノ・グリ) 北海道余市 荒農園(ソーヴィニョン・ブラン、シルヴァーナー、ピノ・ノワール、ピノ・グリ) |
収穫: |
2019/10/09、18(ソーヴィニョン・ブラン) 2019/11/02(シルヴァーナー) 2019/10/09(ゲヴュルツトラミナー) 2019/10/15(ピノ・ノワール) 2019/10/09、18(ピノ・グリ) 収穫時の糖度(平均)約23°Brix |
醗酵: | 選果した葡萄を房ごとプレスし、野生酵母で醗酵。約7割は20〜25℃の比較的高めの温度帯で醗酵させ、醗酵が終了するまで必要に応じてバトナージュを行った。残り約3割の葡萄は香りを逃さないように、20℃以下の低温下でゆっくりと醗酵させた。 |
熟成: | 醗酵後、12月まではバトナージュを約2週間に1回行い、ステンレスタンクで約6カ月熟成。 |
瓶詰: |
澱引き後、無濾過・無清澄でビン詰。 ビン詰日:2020/06/25 本数:1,875本(750ml) アルコール:13.3% 酸度:0.55 g/100 ml 残糖:0.2% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
ライム、青りんご、グレープフルーツに加え、ユリの花、レモングラスの香りがひろがる。味わいはさわやかな伸びのある酸と共に、火打石や鉱物的なニュアンスも感じられ、ほろ苦さと澱からくる香ばしさがクリーンで明るい後味へとつながっていく。 |
料理との相性: | ホワイトアスパラガスのグリエ、アンチョビ入りグリーンオリーブ、サーモンカルパッチョ(ディルを添えて)、青パパイヤのサラダ、ムール貝の白ワイン蒸し、ワカサギのフリット、鱈のブランタード、皮付き豚バラ肉の塩あぶり焼き、ヴァイスヴルスト、マンステール |
飲み頃: |
2020年~2023年 フレッシュな果実味のある味わいが続く。 2022年~2026年 熟成により華やかな香りが落ち着き一体感が出てくる。 |
2020/09/14
●2019 雲の時間ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)