昭和59年(1984年)ワイン造りに着手した私たちは、優れたワイン用葡萄を求めて、平成元年(1989年)海を渡り、カリフォルニア・ソノマに5ヘクタールのワイン用葡萄畑を確保しました。現地の”クライン・セラー”の協力を得て、15年契約で葡萄畑を借りたのです。この葡萄畑の支柱を立てたり、葡萄の苗木植えもこころみ学園の園生や職員たちが行い、葡萄が実るようになってからは、このカリフォルニア産の葡萄を日本に運んでワインを造ったりしていました。そして2004年以降は、こころみ学園の旧友、マット・クラインさんに醸造を委託し、現地でビン詰めして“Friend of COCO”の名前で、ココ・ファーム・ワイナリーだけのカリフォルニア・ワインを輸入し、皆さまにご紹介しています。
マット・クラインさんは、クライン・セラーズのオーナー、フレッド・クラインさんの弟で、カリフォルニア内陸部に広がるジンファンデルや、マタロ、プティット・シラー、カリニャンなどカリフォルニアの歴史そのものと言える自根の古樹から、優れたワインを輩出している知る人ぞ知る腕のよい醸造家です。このマット・クラインさんに醸造を委託し、ココ・ファーム・ワイナリー取締役ブルース・ガットラヴやココ・ファーム・ワイナリーのスタッフが監修している「オークバレル白」。その原料葡萄に、私たちは、世界中で栽培され産地によって実に多彩な表情を見せるシャルドネを選びました。
スタンダードなシャルドネの良さをおさえながら、カリフォルニアのシャルドネの魅力を引き出した「オークバレル白」。醸造場ではカリフォルニアの大地で生まれたシャルドネ種の十分に熟した葡萄のみが注意深く選果され、丁寧に圧搾されます。その風味に富んだ果汁はすぐにフランス産オーク樽へ移されて、樽内で醗酵、ワインとなります。ワイン名でもある樽は、伝統的なワインの醗酵及び熟成のための容器で、その起源は少なくとも数百年前にさかのぼります。その何千年も前にワインメーカーによって報告されている樽の効果は、現在もほとんど変わっていません。木製の樽を使うことにより、ワインにはバニラ、クリーム、スパイスなどの豊かな風味が与えられ、自然のままの酸味はなめらかになります。樽熟成の後、樽から軽くオリ引きをし、ブレンドをします。またビン詰前に、濾過を行うことでワインを清澄させ、味わいを安定させて、このような洗練された華やかな辛口白ワインにまとめられていきます。「2018オークバレル白」は、樽熟成により造られるなめらかで上品な白ワインです。しかもお手頃な価格でありながら、複雑でバランスのとれた味わいを備えています。
初心者の方にも、ワインのプロの方にもお楽しみいただけるカリフォルニアの良質な白ワインです。
テクニカル・データ | |
品種: | シャルドネ 100% |
畑: | カリフォルニア |
瓶詰: | アルコール: 14.5% 酸度: 0.64 g/100 ml 残糖: 0.18% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
白桃、カリン、赤肉メロンなどの果実、ヴァニラ、ビスケットの香りに加えヨードのニュアンス。味わいは酸が十分に感じられドライでクリスピーな印象。アルコールの高さからくるボリュームと滑らかな粘性が口中に長く続く。 |
料理との相性: | カリカリベーコンのせシーザーサラダ、タブレ、スパニッシュオムレツ、秋鮭のムニエル、蟹みその甲羅焼きグラタン、おでん、むかごごはん、鶏肉とキノコのクリーム煮、カマンベール、コンテ、桃のショートケーキ、ココナッツのブランマンジェ |
飲み頃: | 2019~2022年は、フレッシュな果実味のある味わいが続く。2023~2026年は、熟成により一体感が増して、なめらかさと香ばしさ、熟成感も出てくるだろう。 |
2019/11/05
●2018 オークバレル白ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)