現在世界中で造られているピノ・グリには、色々なタイプがあります。溌剌とフレッシュなイタリアのピノ・グリージョ(Pinot Grigio)、リッチかつまろやかなニュージーランドやカリフォルニア、ねっとりと絡みつく蜂蜜のような舌触りでスパイシーなコクのあるアルザス地方。さらにドイツではルーレンダー(甘口)またはグラウブルグンダー(辛口)の別名もあり、スイス、ハンガリー、スロヴェニア、ロシア、モルドヴァ、カナダなど実に様々な場所で様々な解釈でピノ・グリのワインが造られています。
こことあるシリーズの「2018ぴのぐり」は、日本の北海道余市の優れた栽培家が育てたピノ・グリから造りました。2014年にはじめてピノ・グリからワインを造り、2018年は4回目のヴィンテージです。
2018年に北海道でこの品種を仕込むにあたって、私たちには特に好みのスタイルやこだわりはありませんでした。ただ日本の冷涼な気候に育ったこの葡萄が、なりたいワインになれるよう、必要最小限に手を加え、かつ最大限に注意深く見守り、お世話をしようと思いました。2018年の北海道は一年を通して雨が少なく乾燥しており、余市は涼しい秋を迎えました。そのため、この年のワインは硬質な果実が味わいの中心にあり、それに強い酸味が伴っています。原料の葡萄が、日本でも最も高く評価されている、北海道余市町の中川さん、木村さんの二つの畑からやってきた折り紙つきだったため、素直な造りが可能になりました。日本の北国の爽やかさを反映した「2018ぴのぐり」です。ごゆっくりどうぞ。
テクニカル・データ | |
品種: | ピノ・グリ 100% |
畑: | 北海道余市郡余市町登 中川農園、木村農園 |
収穫: | 2018/10/22, 23 |
醗酵: | 葡萄を選別した後、房ごと低圧で搾った。 |
熟成: | 醗酵後、澱引き・ブレンドを行い、ステンレスタンクで更に熟成。 |
瓶詰: |
少量の亜硫酸添加後、無清澄・無濾過にてビン詰。 本数:3224本(750ml) アルコール:12.5% 酸度:0.57 g/100 ml. 残糖:0.41% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
リンゴ、カリン、パイナップルの果実に加えタイムやラベンダーの香り。口当たりは上品で丸みのある豊富な酸と、グリ系由来のほろ苦さやスモーキーさも加わり複雑、クレームブリュレやレモンキャンデイのような甘く香ばしい余韻が優しくゆっくり続いていく。 |
料理との相性: | ミョウガとオクラのピクルス、シーザーサラダ、里芋の煮ころがし、鮎の春巻き、とり貝の握り、ジェノベーゼ風味のポテトサラダ、マカロニグラタン、魚介のフリカッセ、蟹クリームコロッケ、コンテチーズ、金柑のコンポート、レモンメレンゲパイ |
飲み頃: | 2019~2023年は、フレッシュで豊かな果実味のある味わいが続く。2024~2026年までは、甘やかなフルーツの印象が落ち着き熟成により一体感が出る。温度による味わいの変化が大きいので甘さを感じたいなら、温度を高め(15~18℃)すっきりと味わいたいなら、よく冷やす(10~14℃)ことをお勧めする。 |
2019/10/30
●2018 こことあるシリーズ ぴのぐりワイン・データシートPDF(プリントに最適です)