「2014北ののぼロゼ」は、北海道余市の木村農園で、2014年に収穫されたピノ・ノワールとシャルドネとピノ・ムニエの葡萄からつくりました。よいスパークリングワインには豊かな酸が欠かせません。そこで木村農園では、それぞれの葡萄を最適なタイミングで収穫。収穫後は岩見沢の醸造場(10R)で、葡萄の房のまま搾り、フリーランの果汁だけを取り出して、野生酵母で一次醗酵させました。
そして、翌2015年の春、このキュヴェ(原酒)を足利の醸造場(ココ・ファーム・ワイナリー)に運び、蔗糖と酵母を加え、すばやくビン詰して王冠で打栓しました。このティラージュビン詰後のワインは、涼しいセラーで52ヶ月間、ビン内で二番目の醗酵を行いました。ビン内二次醗酵中、このワインは、繊細で細かな泡を生み出し、ゆっくり熟成し、香りの複雑さとボディの厚みを加えていきました。
2019年の夏、最高の状態になったワインを、こころみ学園の園生たちが、毎朝毎晩ビンを45度ずつ回してルミュアージュを行い、澱をビン口に集めました。その後、デゴルジュマンの際、澱を冷却機で凍らせて取り除き、アサンブラージュ法で2017、2018年のピノ・ノワールのロゼワインを少量加えて、味わいと香りのバランスを整え、ナチュールの状態で打栓し、ワイヤーをかけました。
ルミュアージュやデゴルジュマンをはじめ、ほとんど全ての工程が手作業による“北ののぼロゼ”。美しいバラ色、芳醇な香り、のびやかな酸、上品なコクをお楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: |
ピノ・ノワール 65% シャルドネ 33% ピノ・ムニエ 2% |
畑: | 北海道余市町登 木村農園 |
収穫: |
2014/10/09, 10, 13, 16 2017 2018(ピノ・ノワール) 2014/10/06, 08, 09(シャルドネ) 2014/10/05(ピノ・ムニエ) |
醗酵: | 房のままプレス。フリーラン果汁の澱を軽く沈めた後、野生酵母にてステンレス・タンクで醗酵。 |
熟成: | 選抜酵母でのビン内二次醗酵をへて、さらに52カ月以上酵母の澱と接触させながら熟成。 |
瓶詰: |
澱引き後、清澄せず無濾過でビン詰。デゴルジュマンの際、原酒に2017、2018年のピノ・ノワールのロゼワインを少量加え、味わい・香りのバランスを整えた。 ビン詰日:2015/05/21(ティラージュ) 2019/09 (デゴルジュマン) 本数: 777 本 アルコール: 12.3% 酸度: 0.61 g/100 ml. 残糖: 1.2% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いは、明るいオレンジがかった淡いサーモンピンク。フランボワーズ、レッドチェリー、リンゴの果実とハチミツやカスタードクリームの甘やかな香り、ブリオッシュのような香ばしさを溶け込んだ細かな泡が優しく包む。なめらかさがあり、芯のある伸びやかな酸味と旨味が混ざり合い、余韻が長く続いていく。 |
料理との相性: | ローストビーフのサラダ、生ハムとメロン、ホタテのコロッケ、アランチーニ、海老の棒春巻き、サーモンとクリームチーズのカナッペ、海鮮ちらし寿司、シャウルス等のクリーミーなチーズ、イチゴのショートケーキ、リンゴとキャラメルのガレット |
飲み頃: | 2019年~2021年は、フレッシュで華やかな印象。冷蔵庫や氷水でよく冷やして、きめ細やかな泡を楽しんでいただきたい。2022~2024年は、熟成感と香ばしさが合わさり、複雑さ、余韻がさらに伸びる。 |
2019/10/07
●2014 北ののぼ ロゼワイン・データシートPDF(プリントに最適です)