今回のこころみシリーズは、北海道余市のソーヴィニョン・ブラン、ゲヴュルツトラミナー、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・グリなど、冷涼な気候に適したいろいろな白ワイン用葡萄からつくられています。ベテランの藤澤さんにこれらの品種を栽培してみたいと言われた時は驚きましたが、そのチャレンジ精神をうれしく思いました。余市では栽培例の少ないこれらの品種を新しく始めるのは勇気のいることです。藤澤さんを中心に、才川さんや相馬さんたち、熱心な農家さんたちのおかげで、「2018雲の時間」が誕生しました。ソーヴィニョン・ブランをはじめ、樹もまだ若いです。そして、この葡萄でのワインづくりの経験もまだまだ足りませんが、これらの葡萄とそのワインの可能性を大いに感じています。 余市でのこの新しいチャレンジからできたワインをぜひ楽しんでみてください。ゆったりと流れる雲を見ているような「こころみシリーズ 雲の時間」です。ワインの名前は、萩原朔太郎の散文『四季』1936年のなかの「雲を見てゐる自由の時間」という言葉からイメージをいただきました。
テクニカル・データ | |
品種 |
ソーヴィニョン・ブラン 85% ゲヴュルツトラミナー 7% ミュラー・トゥルガウ 4% ピノ・グリ 4% |
畑 |
北海道余市 藤澤農園、才川農園(ソーヴィニョン・ブラン) 北海道余市 相馬農園、藤澤農園(ゲヴュルツトラミナー) 北海道余市 相馬農園(ミュラー・トゥルガウ) 北海道余市 藤澤農園(ピノ・グリ) |
収穫 |
2018/10/15,19(ソーヴィニョン・ブラン) 2018/10/10,15(ゲヴュルツトラミナー) 2018/10/10(ミュラー・トゥルガウ) 2018/10/15(ピノ・グリ) 収穫時の糖度(平均):約23°Brix |
醗酵 | 選果した葡萄を房ごとプレスした。葡萄の香りを逃がさないように、ゆっくりと野生酵母で醗酵した。 |
熟成 | ステンレスタンクで約6カ月熟成。 |
瓶詰 | 澱引き後、無濾過・無清澄でビン詰。 ビン詰日:2019/06/13 本数:516本(750ml) アルコール:13.3% 酸度:0.58 g/100 ml 残糖:0.1% |
このワインについて | |
テイスティング・コメント | 細かい泡が勢いよく立ち昇り、青りんご、グレープフルーツ、ユリの花、レモングラスの香りがひろがる、さわやかな伸びのある酸とともに余韻には少し甘みも感じられ控えめな深みを与える苦みとのバランスも良い。泡が無くなると酸と厚みが増し、黄色い果実やハーブの印象も見つけやすくなる。 |
料理との相性 | アンチョビ入りグリーンオリーブ、サーモンカルパッチョ(ディルを添えて)、青パパイヤのサラダ、ムール貝の白ワイン蒸し、ワカサギのフリット、鱈のブランタード、皮付き豚バラ肉の塩あぶり焼き、ヴァイスヴルスト、ブリオッシュ、マンステール |
飲み頃 |
2020年~2022年 フレッシュな果実味のある味わいが続く。 2022年~2025年 熟成により華やかな香りが落ち着き一体感が出てくる。 |
2019/12/10
●2018 雲の時間ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)