「2016風のルージュ」は、ツヴァイゲルト種の葡萄からつくった赤ワインです。意外にも、この赤ワインに使われた葡萄は北海道・余市で育ちました。なぜ“意外にも”かというと、赤ワイン用の品種は、たいてい熟すのにたっぷりの日光、暖かさ、時間が必要だからです。しかし、余市の藤澤農園に育ったツヴァイゲルトは、冷涼な気候にもかかわらず、薫り高くよく熟していました。そこで、この葡萄の良さを引き出すためにていねいに醗酵させ、慎重に樽で熟成させました。そうして生まれたのが、涼やかな風を感じるエレガントなこの赤ワインです。
ちなみに、「2006風のルージュ」は2008年北海道洞爺湖サミットの7月8日の夕食会にてお使いいただきました。外務省ホームページのG8サミット事務局のワイン紹介には次のように記されています。
「1970年代、ウイーン郊外の修道院から北海道にツヴァイゲルトの苗がもたらされたが、その苗が徐々に広がって今ではこの品種のワインが北海道を代表する赤ワインとなりつつある。冷涼な気候を反映した若々しく豊かな果実味とフレッシュな酸と程よい渋味が身上のこのワインは、飲み応えも十分。未だ知名度は低いが知られざるツヴァイゲルトの魅力、北海道の赤ワインの可能性を存分に感じさせる」
北海道サミットから10年、北海道に深く根づいたツヴァイゲルトの魅力をお伝えできれば幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: | ツヴァイゲルト 100% |
畑: | 北海道余市 藤澤農園 |
収穫: |
2016/10/12, 16, 19, 24 収穫時の糖度 約20.9°Brix(平均) |
醗酵: | 完熟した葡萄を選果し、より良い房のみを除梗しステンレスタンクに入れ、野生酵母で醗酵させる。十分に皮から成分を抽出するため、高めの温度を維持し、ピジャージュやルモンタージュをしながら約10~14日間醸す。その後マストを搾り、ワインを皮と種から分け小樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | オークの小樽で約10ヶ月熟成。 |
瓶詰: |
無清澄・無ろ過でビン詰を行った。 ビン詰日: 2017/9/15 本数: 9,751本 (750ml) アルコール: 12.3 % 酸度: 0.55 g/100 ml. 残糖: 0.12 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
カシス、ダークチェリー、ピンクグレープフルーツ、スミレの香り、黒胡椒様のスパイシーさもある。口中は、なめらかで、カシスやダークチェリーなどの果実味と共に、浅煎りコーヒーの様な軽さの中にしっかりしたタンニンがあり、アフターに、その渋みとカラメルを焦がしたような香ばしさが続く。 |
料理との相性: | 鹿や牛肉の赤身肉のステーキ 黒胡椒風味のソース、鴨のロースト オレンジ風味、ジンギスカン、鶏レバーと舞茸のバルサミコ風味炒め、ハチノスとパプリカの豆鼓炒め、カンボゾーラ、軽めのウォッシュなど、おだやかなチーズ。ザッハトルテなど、チョコレートのデザート |
飲み頃: | 今は若々しく少し固さもあるので、大ぶりのグラスで空気に触れさせて、ゆっくり飲むことをおすすめする。1年から2年ほどで、華やかさが増すだろう。いい状態で保管できたら、5年から7年ほどでエッジがオレンジがかり、熟成によりまとまりと香ばしさがでてくるだろう。 |
2018/4/12
●2016 風のルージュワイン・データシートPDF(プリントに最適です)