2021年、ココ・ファーム・ワイナリーは5年間熟成の時を経たこの「2015プティ・マンサン」を蔵出しします。“こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの試みで、1950年代に開墾された山の葡萄畑に2006年に植樹されたプティ・マンサンは、2013年ヴィンテージまではこころみシリーズとしてリリースされていました。現在、このプティ・マンサンのワインは、自家畑で生まれた白ワインとしてレギュラーの役割をしっかり確実に勤めています。
ここ北関東足利の夏は暑く、2015年隣の佐野市の観測所では猛暑日を19日記録しています。このように暑すぎる日が続くと、葡萄は酸が減って実が病気にかかりやすくなってしまいます。しかし私たちには気候変動に対応できるような良質の白ワインをつくりたいという願いがありました。そこで世界各地の産地を調べ、実際にテイスティングしてフランス南西部スペインとの国境に近いピレネー山脈の麓でプティ・マンサンに巡り会いました。この葡萄は小粒で房も小さく、いきいきとした酸味を持つのが特徴で、この地方でつくられる甘口のワインは驚くほどの凝縮感と余韻の長さを持っていました。このワインを日本で造ってみたら・・・酸味が適度に残って甘さも控えめな葡萄になるかもしれない。こんなことを予測し、結果、足利の暑さにも耐え、美味しい酸を残したままよく熟した葡萄ができワインも上質なワインになりました。希少な蔵出しプティ・マンサンもお楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: | プティ・マンサン 100% |
畑: | 栃木県足利市田島 こころみ学園 |
収穫: |
2015/9/16, 22, 25 10/2 収穫時の糖度(平均)20.9°Brix 収穫方法:手摘み |
醗酵: | 房ごと葡萄をやさしくプレスして、ステンレスタンクに入れる。葡萄の香りを逃がさないように18℃位で5~6日間、野生酵母で醗酵させた。その後、一部は樽に移して野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | 醗酵終了後、樽6カ月またはステンレスタンク14カ月熟成 |
瓶詰: |
澱引き後、清澄せず無濾過でビン詰。 ビン詰日: 2016/12/22 本数: 2,585本 (750ml) アルコール: 12.2 % 酸度:5.9 g/L 残糖: 4.6 g/L |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
パイナップルや青りんごの果実に加え、クリームやはちみつ、海藻の香りが混在し、熟成による香ばしいナッツの香りも出ている。口当たりはドライで酸が全体を引き締めている。余韻に渋みをやや感じるが、時間の経過によりまろやかな印象。 |
料理との相性: |
牡蠣フライタルタルソース、キスのてんぷら(塩とレモンで)、ハニーマスタードチキン パイナップル入り酢豚、フルーツサラダ、マーマレードのスペアリブ、ちらし寿司 |
飲み頃: | 現在、飲み頃。それ以降でも、熟成により口当たりが柔らかに広がる、ゆったりとしたまろやかで複雑なワインとなる。 |
2021/06/10
●2015 プティ・マンサンワイン・データシートPDF(プリントに最適です)