ボルドーは王様です。
これは疑いのないことです。ボルドーは凝縮感のある見事なワインを作り出す‘本場’と言ってもよいでしょう。その名はフル・ボディの力強い赤ワイン、高級、血統の代名詞ともなっています。その場所は起伏のある農場、綺麗に手入れされた庭、壮大なシャトー・・・
そんなボルドーのような王様に誰もがなりたいと思っています。人々はボルドーのようなワインをつくりたいがために、カベルネ・ソーヴィニョンやメルロといったボルドー品種を、国境を越え、遠く離れた自分の畑に移植し始めました。日本はその点では新入りなので、長い時間と経験が必要です。しかし、その経験を積むためつくられてきた日本のワインの多くが、ボルドーとは似つかない、味のないものでした。
私たちはそのボルドーの誘惑に負けませんでした。日本ではボルドー品種がいたる所で育てられていたので、作ろうと思えば作れたかもしれません。作る機会はいくらでもありました。しかし、なぜつくろうとしなかったのか。それは、良い葡萄に出会えなかったからです。
しかし、優れた栽培農家の葡萄に出会った時、チャンスを逃がしていたことに気づきました。私たちが好む日本のワインを生み出せる畑がそこにはあり、そしてその畑でつくられた葡萄を手に入れることができたのです。
結果は・・・? ぜひ、飲んでみてください。カベルネやメルロの果実味、ストラクチャー、樽熟の甘い香り・・・“ロッソ”はイタリア語で“赤”の意味ですが、このワインはボルドーやイタリアではありません。果実味と希望に満ち溢れた日本の赤ワインです。
テクニカル・データ | |
品種: |
メルロ 36% カベルネ・ソーヴィニョン 28% マスカット・ベイリーA 16% ツヴァイゲルト 7% ブラック・クイーン6% その他 7% |
畑: |
北海道余市、山形県上山、長野県高山村、長野県安曇野、山梨県勝沼、 山梨県穂坂、栃木県大平、栃木県足利、栃木県佐野、群馬県赤城 |
収穫: |
2013/10/20,21,27, 11/06 2014/9/24, 28, 10/4, 5, 6, 7, 8, 10, 20, 22, 24, 26 収穫時の糖度: 20.6 °Brix(平均) |
醗酵: | 熟した葡萄をココ・ファーム・ワイナリーで選果して、より良い房のみを除梗しステンレスタンクに入れ、野生酵母で醗酵させる。十分に皮から成分を抽出するため、高めの温度を維持し、ルモンタージュしながら1週間から2週間醸す。その後マストを搾り、ワインを皮と種から分け、オークタンク、ステンレスタンクに移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | オークタンク、ステンレスタンクで約7ヶ月半熟成。 |
ビン詰: |
軽くろ過してビン詰 ビン詰日: 2015/6/10, 11, 12, 15, 16, 17, 18, 19 本数: 16,551本(375ml ) 57,753本(750ml ) アルコール:11.9% 酸度: 0.59 g/100 ml 残糖: 0.14% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
「2014農民ロッソ」は、香りはクランベリー、ラズベリー、ブラックベリー、カシスなどの果実とピーマン、土などの複雑な香りに加えて、ミントなどの清涼感も感じる。口当たりはライトで果実味豊かな印象。熟した果実の味わいとスパイスを感じ、程よい酸味と樽の風味が、このやさしいワインに、しなやかさと複雑味をあたえている。 |
料理との相性: |
程よくコクのある料理:小羊の香草焼き、鴨のグリル、ローストポーク、焼鳥(たれ) ミートソースのパスタ、トマトと茄子のチーズグラタン、ピザ、ハンバーグ |
飲み頃: | 今から2018年頃まで:熟成によって、よりなめらかで複雑なワインとなるでしょう。 |
2016/04/12
●2014 農民ロッソワイン・データシートPDF(プリントに適しています)