「2014こころみノートン」は、ノートン種100%からつくられています。多くの葡萄品種は高温多湿で夏に雨の多い地域では順調に育ちにくく、たとえそのような状況でつくれたとしても、ワインは果実味がなく色の薄い水っぽいものになりがちです。しかし、私たちは雨の多いアメリカ合衆国の東海岸のヴァージニアや中央部のミズーリで、ノートン種(シンシアナ種)が果実たっぷりの色の濃い、印象的なワインをつくっていることに着目し、ノートン種の葡萄をこころみ学園の畑で栽培しはじめました。醸造場では野生酵母で発酵させ、ノートン種の濃さと奥深さを表現するため、純粋に飾り気なくつくりました。熟成し飲み頃となった自家畑の「こころみノートン」、お楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: | ノートン 85 % タナ 15 % |
畑: | 栃木県足利市田島(ノートン) 栃木県佐野市赤見(タナ) |
収穫: |
2014/09/23, 24(タナ) 10/18, 20(ノートン) 収穫時の糖度: 20.8°Brix |
醗酵: |
2つの方法で野生酵母により醗酵させた。 1つ目は、葡萄を除梗し、軽く破砕する。1日2回ピジャージュしながら醸し、徐々にマストを温めてゆく。4、5日すると天然酵母による醗酵が自然に始まる。醗酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。13日間醸した後、マストをプレスした。 2つ目は、葡萄を全房でタンクに入れて炭酸ガスで満たし、2週間MC法(マセラシオン・カルボニック法)を行った。その後、葡萄を破砕し2週間醸し醗酵を行った。十分に成分を抽出した後プレスした。 酵母による醗酵後、小樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | オークの小樽で約12ヶ月熟成後オリ引きし、清澄・ろ過処理なしでビン詰。 |
瓶詰: |
ビン詰日: 2015/12/18 本数: 1,703本(750ml) アルコール: 11.7 % 酸度: 0.71 g/100 ml 残糖: 0.15 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
カシスやプラムの果実とカルダモンやコリアンダーのスパイスが絡み合う複雑なアロマ。キノコやなめし皮のような熟成香も感じる。味わいは柔らかく、心地よい苦みをしっかり感じ、熟成感を伴った細かい酸味が長い余韻へと続いていく。 |
料理との相性: | スペアリブ、黒酢の酢豚、北京ダック、鴨肉のローストフランボワーズソース、めかじきのソテー バルサミコソース、レアチーズケーキ チェリーソース |
飲み頃: | 現在から5~10年後。熟成により、口当たりが柔らかに広がる、ゆったりとしたまろやかで複雑なワインとなる。 |
2020/10/09
●2014 こころみノートンワイン・データシートPDF(プリントに最適です)