『陽はまた昇る』はタナ種を主体にした赤ワインです。
私たちは土地に合った葡萄品種を栽培することを、最良のワインを造る方法の一つとして考えています。
タナ種はフランス南西部マディラン地方の主要な品種です。マディランは フランスのブドウ栽培地の中では年間の雨量が多い場所ですが、この葡萄から色が濃く、果実味豊かで、渋味の強い長期熟成タイプの
印象的なワインが数多く造られています。
私たちはこの葡萄なら日本でもうまく育つだろうと思い、まず始めに足利にこの品種を植えました。
その後栃木以外の場所の可能性を探るべく、山形と長野の契約農家に栽培をお願いしたところ彼らに
とって 初めての品種にもかかわらず、快く引き受けてくれました。
そして、土地との相性もさることながら、彼らの経験と技術によってわずか数年のうちに素晴らしい品質の葡萄が収穫できるようになりました。
私たちはこの葡萄の良さを生かすためシンプルな造りをこころがけました。その結果タナ種の持つ果実味や酸味、渋味の力強さを感じられるワインができました。
最終的にはタナ種と相性の良いカベルネ・ソーヴィニョン種のワインとブレンドし、全体の調和の取れたワインになりました。
テクニカル・データ | |
品種: | タナ 63.4%(山形県上山、長野県高山村、栃木県佐野市赤見)、 カベルネ・ソーヴィニヨン 36.6%(山形県上山) |
畑: |
山形県上山(70.5%)、長野県高山村(26.4%)、栃木県佐野市赤見(3.1%) 収穫時の糖度21.8°Brix(平均) |
収穫: | 2013/9/30, 10/18, 19, 24, 27, 28, 11/06 |
醗酵: | 完熟した葡萄を除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。1日2回のピジャージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。2、3日すると野生酵母による醗酵が自然に始まる。醗酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。注意深くピジャージュを続けながら、十分な色素と風味を抽出する。10~13日間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、小樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | オークの小樽で約13ヶ月熟成。 |
ビン詰: |
ビン詰日: 2014/12/26 本数:6391本(750ml ) アルコール:12.10% 酸度: 0.638 g/100 ml. 残糖: 0.145% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
長期熟成可能なフル・ボディの赤ワイン。色調は、中心部が漆黒となるほど深い紫色。 香りはすみれ、プルーン、カシスのようなフルーツとチョコレート、コーヒーのスパイスやスモーキーさを感じる。口に含むと、しっかりとしたアタックと酸や渋みが感じられ、プラムやブラックチェリーのような黒果実があり華やか。余韻はしなやかで長くスモーキーさを伴う。 |
料理との相性: | 牛肉の赤ワイン煮、ステーキなど牛赤身肉、ラムチョップ、スペアリブ、鶏肉と鶏モツのすき焼き、ブルーチーズ、鴨の燻製、サラミソーセージ |
飲み頃: | 現在から2021年頃まで:それ以降でも、熟成により口当たりが柔らかに広がる、ゆったりとしたまろやかで複雑なワインとなるだろう。 |
2016/06/09
●2013 陽はまた昇るワイン・データシートPDF(プリントに適しています)