ボルドーは王様です。
これは疑いのないことです。ボルドーは凝縮感のある見事なワインを作り出す‘本場’と言ってもよいでしょう。その名はフル・ボディの力強い赤ワイン、高級、血統の代名詞ともなっています。その場所は起伏のある農場、綺麗に手入れされた庭、壮大なシャトー・・・
そんなボルドーのような王様に誰もがなりたいと思っています。人々はボルドーのようなワインをつくりたいがために、カベルネ・ソーヴィニョンやメルロといったボルドー品種を、国境を越え、遠く離れた自分の畑に移植し始めました。日本はその点では新入りなので、長い時間と経験が必要です。しかし、その経験を積むためつくられてきた日本のワインの多くが、ボルドーとは似つかない、味のないものでした。
私たちはそのボルドーの誘惑に負けませんでした。日本ではボルドー品種がいたる所で育てられていたので、作ろうと思えば作れたかもしれません。作る機会はいくらでもありました。しかし、なぜつくろうとしなかったのか。それは、良い葡萄に出会えなかったからです。よい葡萄だと聞いて実際畑に行ってみると、いつも不満が残りました。ほとんどの葡萄は味が単純で果実味やストラクチャーに欠けていました。
しかし、優れた栽培農家の葡萄に出会った時、チャンスを逃がしていたことに気づきました。私たちが好む日本のワインを生み出せる畑がそこにはあり、そしてその畑でつくられた葡萄を手に入れることができたのです。
結果は・・・? ぜひ、飲んでみてください。カベルネやメルロの果実味、ストラクチャー、樽熟の甘い香り・・・“ロッソ”はイタリア語で“赤”の意味ですが、このワインはボルドーやイタリアではありません。果実味と希望に満ち溢れた日本の赤ワインです。
テクニカル・データ | |
品種: | カベルネ・ソーヴィニョン 52% メルロ 34% ブラッククィーン 4% ノートン 3% その他 7% |
畑: | 長野県安曇野(BQ) 長野県松本(CF) 長野県高山村(CS,MER) 山形県上山(CS,MER) 山梨県勝沼(KOS,MBA,) 栃木県大平下(MBA) 北海道乙部(MER) 栃木県足利(NOR) 群馬県赤城(NOR) |
収穫: | 2011/9/19,23,30, 10/5,9,10,14,21,26,28 11/5,6,7 |
醗酵: | 完熟した葡萄をココ・ファーム・ワイナリーで選果して、より良い房のみを除梗しステンレスタンクに入れ、野生酵母で醗酵させる。十分に皮から成分を抽出するため、高めの温度を維持し、ルモンタージュしながら2週間から3週間醸す。その後マストを搾り、ワインを皮と種から分け、オークタンク、一部はステンレスタンクに移しマロラクティック醗酵を促す。 |
熟成: | オークタンク、ステンレスタンクで10ヶ月熟成。 |
瓶詰: |
瓶詰日: 2012/6/13,14,15,27,28,29 本数: 51,228本 (750ml) 10,037 本(375ml) アルコール:11.5% 酸度: 0.57g./100 ml. 残糖: 0.195% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色はガ-ネット.香りはクランベリ-,ラズベリ-,フレッシュハ-ブ,白胡椒,ロ-ズヒップ.口当たりはライトで果実味豊かな印象.赤いフル-ツとスパイスを感じ,程よい酸味と樽の風味が,このやさしいワインに,しなやかさと複雑味をあたえている. |
料理との相性: |
程よくコクのある料理:小羊の香草焼き、鴨のグリル、ローストポーク、焼鳥(たれ) ミートソースのパスタ、トマトと茄子のチーズグラタン、ピザ、ハンバーグ。 |
飲み頃: | 今から2015年頃まで:熟成によって、よりなめらかで複雑なワインとなるでしょう。 |
2012/6/29
●2011 農民ロッソワイン・データシートPDF(プリントに最適です)