第一楽章は20世紀初頭の著名な葡萄栽培家川上善兵衛氏によって発展した品種による赤ワインです。真に個性豊かなワインとするため、伝統的なヨーロッパの技術を取り入れ、綿密な土地選び、非常な手間をかける農作業、そして手作業によるワイン造りを行っています。
原料となるマスカット・ベイリーAは、私たちのワイナリーを見下ろす山頂に位置する「開拓園」と佐野市赤見の畑の痩せた土壌で育てられます。ワインには強い花の香り、スパイス、果実など品種の特徴が十分に表れています。
また、製造過程において清澄・フィルター処理を一切行なっておりません。熟した果実の味わいと複雑さを持つ自然のままのワインに仕上げるために、人為的に手を加えることを最小限に抑えて瓶詰めしました。その結果、ワインはやや曇ったままで熟成とともにオリが沈殿するでしょう。開栓する数時間前にボトルを立て、オリを沈めておくことをお勧めいたします。オリが舞わぬようグラスにゆっくりと注ぎ、ワインをお楽しみください。
テクニカル・データ | |
品種: | マスカット・ベイリーA 100% |
畑: | 栃木県足利市田島、栃木県佐野市赤見 |
収穫: | 2011/10/26,11/10 収穫時の糖度: 19.8oBrix(平均) |
醗酵: | 除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。1日1回のピジュアージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。2、3日すると野生酵母による発酵が始まる。発酵は高めの温度ですすみ、途中で22°Brixまで補糖する。最高で33℃にもなり、残糖がなくなるまで続く。注意深くピジュアージュをおこないながら、十分な色素と風味を抽出する。おおよそ10日間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、小樽内でMLFを続ける。 |
熟成: |
フランス産オークの古樽(70%)とステンレス(30%)で12ヶ月熟成。 オリ引き後、清澄・濾過処理なしで瓶詰。 |
瓶詰: |
瓶詰日: 2012/12/6 本数: 2,064本 (750ml) アルコール: 11.3% 酸度: 0.532g/100 ml 残糖: 0.177% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
「2011第一楽章」は、香りはいちご、さくらんぼ、ラズベリーなど赤果実、菫の花などの華やかさもあり、コーヒー、黒砂糖、シナモンのようなスパイス、さらに土やタールなど、複雑な香りが感じられる。味わいはミディアム・ボディでコクがありなめらか。果実の凝縮感と黒砂糖のような香ばしさがちょうど良いバランス。余韻は長く、ミネラルと細かい渋味を伴う。 |
料理との相性: | うなぎのかば焼き、鴨の治部煮、ビーフ・シチュー、地鶏と鶏モツのすき焼き、イノシシ鍋、強い風味のチーズ(ウォッシュタイプ) |
飲み頃: | 現在から2022年頃まで。保存状態によっては、適切な熟成により複雑味と柔らかさを増し、まろやかで素晴らしいまとまりのあるワインに成長するでしょう。 |
2013/12/27
●2011 第一楽章ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)