ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noirs)を直訳すると「黒の白」、黒葡萄だけでつくられた白ワインのような外観のワインのことです。ココ・ファームのスパークリング・ワイン“ブラン・ド・ノワール”は、北海道余市の木村農園で2011年に収穫されたピノ・ノワールを100%使用して、伝統的な瓶内二次醗酵方式でつくりました。
良いスパークリング・ワインにはしっかりとした豊かな酸が必要不可欠です。このワインは、日本屈指のピノ・ノワールの栽培家、木村さんのきりりとしたおいしい酸を持つピノ・ノワールを、成熟のピークに収穫。足利の醸造場で、房のままていねいに搾って、純粋なフリーランの果汁だけを取り出しました。その後、葡萄本来の自然の持ち味を活かすため、果皮に付いた野生酵母でステンレス・タンクで醗酵させました。
翌2012年の春、ワインに蔗糖と酵母を加え、すばやく瓶詰し王冠で打栓。このティラージュ瓶詰(Tirage)後、ワインを暗く涼しい静かなセラーに寝かせました。ワインは一本一本のビンのなかで二番目の醗酵を行いながら複雑さを増し、酵母が働いてデリケートで細かな泡を生み出していきました。
そして瓶内二次醗酵後も、さらなる香りの複雑さと口当たりの厚みを引き出すため、瓶内でワインを酵母の澱と接触させながら、約35ヶ月間熟成を続けました。
ワインが瓶内熟成で最高の状態になった2015年冬、こころみ学園の園生たちが、毎朝毎晩ビンを45度ずつ回しルミュアージュ(Remuage)を行い、澱をビンの口に集めました。その後、ビン口の澱を冷却機で凍らせ、王冠と同時に澱を取り除き
(デゴルジュマン:Degorgement)、同質のワインを補って糖分を加えないナチュール(Nature)のドサージュ(Dosage)瓶詰を行い、コルクで打栓しミュズレとワイヤーをかけました。
この“ブラン・ド・ノワール”の特徴は、のびやかな酸、上品なコクにあります。つくる工程のほとんど全てが手作業でつくられたこのスパークリング・ワインは、日本のピノ・ノワール種100%の日本で初めての“ブラン・ド・ノワール”かも知れません。お楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: | ピノ・ノワール100% |
畑: | 北海道余市 木村農園 |
醗酵: |
房のままプレス。 フリーラン果汁のオリを軽く沈めた後、野生酵母にてステンレスタンクで醗酵。 |
熟成: | 選抜酵母での瓶内二次醗酵をへて、更に35ヶ月間酵母の澱と接触させながら熟成を待った。 |
瓶詰: |
瓶詰日: 2012/4/19(ティラージュ) 2015/03/24(デゴルジュマン) アルコール:12.30% 酸度:1.170 g/100 ml 残糖:0.480% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
「2011年ブラン・ド・ノワール」シャンパーニュ方式によるスパークリング・ワイン。 りんごやアプリコットなどの果実の他に蜂蜜、カスタード、クリーム・ブリュレといった香りを感じる。口に含むと、りんご、チェリーなどのフルーツ、フレッシュな酸とピノ・ノワール由来のコクと丸みがあり、なめらかで複雑。 |
料理との相性: | キャビア、グラタン、フォアグラのテリーヌ、フレッシュチーズ |
飲み頃: | 現在から1~2年後:熟成により深い麦藁色となり、まろやかに成長するだろう。 |
2015/04/28
●2011 ブラン・ド・ノワールワイン・データシートPDF(プリントに適しています)