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2010 こころみシリーズ こころみノートン ワイン・データシート

当初“こころみシリーズ”としてリリースされた「2010こころみノートン」は、ココ・ファームのおもしろい傾向を表現しています。まず限られた地域でのみ栽培されている非常に珍しい品種、ノートン種100%でつくられていることです。独特な気候の日本で上手く育ち且つおもしろい品種を探しているとき、私たちはこのノートン種に出会いました。多くの葡萄品種は、高温多湿で夏に雨の多い地域では順調に育ちにくく、例えそのような状況でつくれたとしても、果実味がなく、色の薄い、水っぽいワインになってしまうといわれていました。しかし、アメリカ合衆国の東海岸、ヴァージニアやミズーリでは日本より雨の多い気候にもかかわらず、その地域原産のノートン種(シンシアナ種)で果実たっぷりの色の濃い、印象的なワインをつくっていました。私たちは税関をパスしたノートン種の苗木を増やしこころみ学園の畑で栽培しはじめました。醸造場では健康で香り高い葡萄を慎重に扱い乾燥酵母でなく葡萄についた野生酵母で発酵させました。発酵後やさしく搾り、樽に入れ長い時間熟成させました。テイスティングで良いバランスのブレンドを決め、澱引きし、清澄やろ過なしで、ビン詰めしました。濃さと奥深さを表現するため、より純粋に飾り気なくつくった10年前のこころみ学園の畑の赤ワイン。静かな時を過ごし、2020年の私たちの背中をそっと押してくれているような気がします。

テクニカル・データ
品種: ノートン 100%
畑: 栃木県足利市田島
収穫: 2010/10/19,20
収穫時の糖度(平均): 21.1oBrix
醗酵: 完熟したぶどうを除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。1日2回のピジュアージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。2、3日すると天然酵母による発酵が自然に始まる。発酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。注意深くピジュアージュを続けながら、十分な色素と風味を抽出する。2週間以上醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、小樽に移しマロラクティック発酵を促す。
熟成: オークの小樽で12カ月 熟成。
瓶詰: ビン詰日: 2012/06/07    本数:1,477本(750 ml)
アルコール:10.9%   酸度: 0.855 gm./100 ml.   残糖: 0.195%
このワインについて
テイスティング・
コメント:
カシスやプラムなどフルーツの香りにクミンやカルダモンなどのスパイス香、さらに玉ねぎなどの野菜の爽やかさも感じる複雑な香り。ノートン品種由来の酸をしっかり感じる中、熟成により渋みもまろやかになり、余韻にうまみが広がるジューシーなヴィンテージ。
料理との相性: スペアリブ、酢豚、北京ダック、鴨肉のローストフランボワーズソース、めかじきのソテーバルサミコソース、チーズケーキとチェリーソース
飲み頃: 現在、飲み頃。2025年頃までは、熟成により口当たりが柔らかに広がる複雑なワインとなるだろう。

2020/06/04

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