第一楽章は20世紀初頭、川上善兵衛氏によって育種された日本固有の葡萄品種、マスカット・ベーリーA100%の赤ワインです。「2017第一楽章」の原料となったマスカット・べーリーAは、私たちのワイナリーを見下ろす山頂の「開拓園」と1982年開墾の佐野市「赤見」の痩せた土壌で育てられました。立っているだけでも大変な急斜面の葡萄畑で、手間を惜しまぬ農作業によって育てられた葡萄は完熟を待って収穫されます。醸造場では、真に個性豊かなワインを目指して、伝統的なヨーロッパの技術を取り入れ、1996年から野生の微生物によるワイン造りを行っています。熟した果実の味わいと複雑さを持つ自然のままのワインに仕上げるために、人為的に手を加えることを最小限に抑えています。清澄やフィルターによる濾過も一切行っていません。その結果ワインはやや曇ったまま熟成とともに澱が沈殿していきます。開栓する数時間前にボトルを立て澱を沈め、ゆっくりと注いでお楽しみください。
テクニカル・データ | |
品種: | マスカット・ベーリーA 100 % |
畑: |
栃木県足利市田島こころみ学園 栃木県佐野市赤見こころみ学園 |
収穫: |
2017/10/28(足利市田島) 2017/10/30, 31(佐野市赤見) 収穫時の糖度(平均):約21°Brix |
醗酵: | 除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。1日2回のルモンタージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。4、5日すると野生酵母による醗酵が始まる。醗酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。注意深くルモンタージュをおこないながら十分な色素と風味を抽出する。おおよそ約15~17日間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後古樽内で野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を続ける。 |
熟成: | フランス産オークの古樽で5カ月半熟成。 |
瓶詰: |
オリ引き後、清澄せず無濾過でビン詰。 ビン詰日:2018/05/15 本数:1,857 本 (750ml) アルコール:11.2 % 酸度:0.41 g/100 ml 残糖:0.20 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
イチゴジャム、ブルーベリー、ブラッドオレンジなど熟した果実の滑らかな香りにクローブなどのスパイス、鉱物的なニュアンスも加わり複雑、味わいはフレッシュなこまかい酸と同時に上品なタンニン、果梗などからくる旨味も重なりタイトな余韻が長く続いていく。 |
料理との相性: | フルーツトマトのサラダ、つぶ貝のソテー、鰻の骨せんべい、鹿刺し、鳥ときのこのフリカッセ、鴨のロースト オレンジ風味のソース、仔羊の香草パン粉焼き、ピーマンの肉詰め、ホワイトスティルトン、しののめ(今牧場)、あんみつ、岡田のパンヂュウ |
飲み頃: |
2019年~2022年 フレッシュさと華やかな味わいを楽しめる。 2023年~2026年 香ばしさなどの熟成の兆しが出始め、なめらかさと一体感が更に増し味わいの向上が期待できる。 |
2019/12/05
●2017 第一楽章ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)