“こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい“こころみ”です。
「適地適品種」という言葉はココのワイン造りにおいて重要なキーワードのひとつです。2006年足利に植えたプティ・マンサンは足利の気候風土によく適合し、その個性を発揮しています。この葡萄の栽培を山形県上山の契約農家にお願いしようと思ったとき迷いもありました。なぜなら上山はシャルドネ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョンなど伝統的なワイン用葡萄の素晴らしい産地で、その上山の畑にプティ・マンサンという、うまくできるかどうかわからない新しい葡萄品種を植えるということは大変なチャレンジだからです。
上山にプティ・マンサンがはじめて植えられたのは2008年。その後、プティ・マンサンは上山の契約農家さんたちに大切に育てられ、上山の気候風土にも適合し、しっかりと完熟。その葡萄を野性酵母でゆっくり醗酵させたワインには、豊かな酸と長い余韻が感じられます。葡萄本来の自然の味わいを目指し、一歩一歩“こころみ”とともに歩いてくださる契約農家の皆さんには、ほんとうに感謝しています。
テクニカル・データ | |
品種: | プティ・マンサン 100% |
畑: | 山形県上山 尾形畑、木村正男畑、渡辺義仁畑 |
収穫: | 2016/10/21 87.9%
2016/10/20 10.0% 2016/10/16 2.1% 収穫時の糖度 約23.0°Brix(平均) |
醗酵: | 房ごと葡萄をやさしくプレスして、ステンレスタンクに入れる。
葡萄の香りを逃がさないように18℃位の室温で約2ヶ月間野生酵母でゆっくり醗酵させた。 |
熟成: | 醗酵終了後、ステンレスタンクで9ヶ月熟成。 |
瓶詰: | 澱引き後、清澄せず無ろ過でビン詰。
ビン詰日: 2017/9/14 本数: 1,563 本 (750ml) アルコール: 13.2 % 酸度: 0.75 g/100 ml 残糖: 0.7 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
パイナップル、りんご、カリンなどの果物の香り、オレンジピールやクローブの香りもある。口中は、フレッシュで丸みがあり、ややドライな印象。レモンやグレープフルーツのような豊かな酸味とりんごのような甘みが、カリンやはちみつのニュアンスとともに口いっぱいに広がる。それに、穏やかな泡、鉛筆の芯のような苦味がアクセントになり、包み込みつつ、バランスを取りながら、芯のある味わいを構成する。 |
料理との相性: | 牡蠣フライのタルタルソース、豚肉とりんごの煮込み、牛タンや豚トロを炙る(レモンと美味しい塩で)、ジャンボン・ペルシェ、脂身の多いサラミやシャルキュトリーにマーマレードやジャムを添えて、ゴルゴンゾーラのペンネ、大体のチーズやりんごのタルトなど果物系デザートとも相性がよい。 |
飲み頃: | 冷蔵庫温度(10度以下)から始めて、温度を上げていき、室温くらいまでの温度変化を楽しめる。冷やしすぎると、渋みや苦味が目立つことがあるので、あまり冷やしすぎないことがお勧め。今からでも楽しめるが、保存状態がよければ、向こう7~8年は経年変化が楽しめるだろう。 |
●2016 山のプティ・マンサンワイン・データシートPDF(プリントに最適です)