こことあるシリーズの「2016ぴのろぜ」は今回で4年目のヴィンテージです。ロゼワインは、多くの場合、赤ワインでも白ワインでもない、中途半端なワインとしてつくられてしまっています。
でもこの「ぴのろぜ」は違います。このワインは、赤ワインをつくるつもりのピノ・ノワールを試しにロゼワインにしたことがもともとの始まりでした。1回限りのつもりで造ったロゼワインがワインの専門家の人たちにも圧倒的に好評で、それ以来醸造過程を洗練させ最良の方法を模索しています。
まず北海道余市の屈指の栽培農家、木村農園の遅摘みピノ・ノワール100%を用いることからワインづくりがはじまります。タンクに房ごと葡萄を入れ、かなり長い時間、北海道の冷涼な気候だからこそできる低温で、カルボニック・マセラシオンを行います。それによって、やわらかなアロマやフレーバー、旨みや程よい“blush(ブラッシュ)”の色合いを果皮から抽出していきます。葡萄をプレス(圧搾)した後は、厳選された樽とステンレスタンクで醗酵を続けます。醗酵が済んだ後も澱といっしょに熟成させ、それによってやさしい口当たりとアロマと味わいを備えた複雑さをワインに与えていきます。
おかげさまで、丹精こめて育てられた葡萄から丁寧に醸造したドライなロゼワインは、よりさわやかで、より複雑で、より食事にも合わせやすいワインになることを確信でき、とても嬉しく思います。この「こことあるシリーズ2016ぴのろぜ」が、いつものお食事やお友達との集まりの席を盛り上げるための、お気に入りのワインになれることを願っています。
テクニカル・データ | |
品種: | ピノ・ノワール 100% |
畑: | 北海道余市郡余市町登 木村農園 |
収穫: | 2016/10/27、28、29 |
醗酵: | 葡萄を選別した後、7週間低温全房のカルボニックマセレーション(炭酸ガス浸漬)を行った。その後、足で破砕して5日間野生酵母により醸し醗酵。じっくりと搾って、タンクに移動した。一夜常温沈殿後、澱引き。ステンレスタンク(5割)、古樽(4割)、新樽(1割)にて野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック発酵)を行った。 |
熟成: | 醗酵後9カ月、澱漬け。 |
ビン詰: |
ビン引き、ブレンド、少量の亜流酸塩添加後、無清澄剤・無濾過にて瓶詰め ビン詰日: 2017/09/25 本数: 2,687本(750ml) アルコール: 12.8 % 酸度: 0.74 g/100 ml. 残糖: 0.13 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
チェリー、イチゴ、ブラッドオレンジ、腐葉土、野ばらなどの上品なアロマとオークの香ばしさ。ざくろの果実味を中心としたやわらかでドライな口当たり。丸さとフレッシュさを併せ持つ酸味と旨味が心地良い余韻。 |
料理との相性: | 生ハムといちじく、パン・コン・トマテ、タパス、スモークサーモンやサーモンのバター焼き、トマト系パスタ、常夜鍋をポン酢で、ベーコンとジャガイモの炒め物、柿の葉寿司、グレープフルーツやオレンジのカスタードタルト |
飲み頃: | 冷やし気味の温度(冷蔵庫10℃ぐらい)から、室温に温度を上げつつ、変化を楽しめる。酸味がお好きな方は、ワインクーラーなどで冷たい温度をキープ。今からでも楽しめるが、3〜5年の熟成でよりなめらかさと落ち着きが出てきて、10年間ぐらいは熟成による変化を楽しめるだろう。 |
●2016 こことあるシリーズ ぴのろぜワイン・データシートPDF(プリントに最適です)