ボルドーは王様です。
これは疑いのないことです。ボルドーは凝縮感のある見事なワインを作り出す‘本場’と言ってもよいでしょう。その名はフル・ボディの力強い赤ワイン、高級、血統の代名詞ともなっています。その場所は起伏のある農場、綺麗に手入れされた庭、壮大なシャトー・・・
そんなボルドーのような王様に誰もがなりたいと思っています。人々はボルドーのようなワインをつくりたいがために、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといったボルドー品種を、国境を越え、遠く離れた自分の畑に移植し始めました。日本はその点では新入りなので、長い時間と経験が必要です。しかし、その経験を積むためつくられてきた日本のワインの多くが、ボルドーとは似つかない、味のないものでした。
私たちはそのボルドーの誘惑に負けませんでした。日本ではボルドー品種がいたる所で育てられていたので、つくろうと思えばつくれたかもしれません。作る機会はいくらでもありました。しかし、なぜつくろうとしなかったのか。それは、良い葡萄に出会えなかったからです。
しかし、優れた栽培農家の葡萄に出会った時、チャンスを逃がしていたことに気づきました。私たちが好む日本のワインを生み出せる畑がそこにはあり、そしてその畑でつくられた葡萄を手に入れることができたのです。
結果は・・・? ぜひ、飲んでみてください。カベルネやメルロの果実味、ストラクチャー、樽熟の甘い香り・・・
“ロッソ”はイタリア語で“赤”の意味ですが、このワインはボルドーやイタリアではありません。果実味と希望に満ち溢れた日本の赤ワインです。
テクニカル・データ | |
品種: |
メルロ 45.6% マスカット・ベイリーA 26.7% カベルネ・ソーヴィニョン 25.3% その他 2.4% |
畑: |
山形県上山 山梨県甲州市勝沼 栃木県大平 長野県高山村 長野県須坂 |
収穫: |
2016/09/07, 09, 13, 15, 16, 26 10/7(メルロ) 2016/9/12, 20, 25 10/10, 18, 20(マスカット・ベイリーA) 2016/10/22, 27 2015 (カベルネ・ソーヴィニョン) |
醗酵: | 熟した葡萄をココ・ファーム・ワイナリーで選果して、より良い房のみを除梗しステンレスタンクに入れ、野生酵母で醗酵させる。十分に皮から成分を抽出するため、高めの温度を維持し、ルモンタージュしながら1週間から2週間醸す。その後マストを搾り、ワインを皮と種から分け、木樽、オークタンク、ステンレスタンクに移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促す。 |
熟成: | 木樽、オークタンク、ステンレスタンクで約7ヶ月半熟成後、軽くろ過してビン詰。 |
ビン詰: |
ビン詰日: 2017/6/14, 15, 16, 17, 19, 20 本数: 10,890本(375ml ) 52,857本(750ml ) アルコール: 11.5 % 酸度: 0.54 g/100 ml 残糖: 0.12 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
「2016農民ロッソ」は、香りはクランベリー、ラズベリー、ブラックベリー、カシスなどの果実と、土などの複雑な香りを感じる。口当たりはライトで果実味豊かな印象。 熟した果実の味わいとスパイスを感じ、程よい酸味とほのかな樽の風味が、このやさしいワインに、しなやかさと複雑味をあたえている。 |
料理との相性: |
程よくコクのある料理:小羊の香草焼き、鴨のグリル、ローストポーク、焼鳥(たれ) ミートソースのパスタ、トマトと茄子のチーズグラタン、ピザ、ハンバーグ |
飲み頃: | 今から2020年頃まで:熟成によって、よりなめらかで複雑なワインとなるでしょう。 |
2017/06/20
●2016 農民ロッソワイン・データシートPDF(プリントに適しています)