現在世界中で造られているピノ・グリにはいろいろなタイプがあります。はつらつとフレッシュなイタリアのピノ・グリージョ、リッチかつまろやかな新大陸の造り、さらに、ねっとり、うっとりと絡みつく蜂蜜のような舌触りのアルザス地方のワインなど実に様々な解釈で造られています。
北海道でこの品種を初めて仕込むにあたり、特に好みのスタイルやこだわりはありませんでした。ただ葡萄がなりたいワインになれるよう、必要最小限に手を加え、かつ最大限のお世話をし、注意を払おうと考えただけでした。原料の葡萄が、日本でも最も高く評価されている、北海道余市町の中川さん、木村さんの二つの畑からやってきた折り紙つきだったため、それが可能でした。
2015年の北海道は涼しくて雨が多めの秋でした。そのため、葡萄には貴腐菌がたくさん付き、蜜のニュアンスが特徴的です。2015年の味わいをごゆっくりお楽しみください。
テクニカル・データ | |
品種: | ピノ・グリ 100% |
畑: | 北海道余市町登 中川農園85%、木村農園15% |
収穫: | 2015/10/24(木村農園)、2015/10/26(中川農園) |
醗酵: |
葡萄を選別した後、房ごと低圧で搾った。 一夜常温沈殿させた後、オリ引き。ステンレスタンク70%、古樽30%(7年目フレンチオーク)で、野生酵母による醗酵後、野生乳酸菌により100%MLF (マロラクティック醗酵) を行った。 |
熟成: | 醗酵後数か月オリ浸けした後、オリ引き。ブレンドし、少量の亜流酸塩添加後、無清澄・無ろ過にてビン詰め。 |
ビン詰: |
本数: 2,390本(750 ml) アルコール: 12.4 % 酸度: 0.74 g/100 ml. 残糖: 0.48 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
「こことあるシリーズ2015ぴのぐり」は、香りは黄桃、パイナップル、リンゴ、アプリコット、アカシアの花が活き活きした印象を与える。口にすると、丸みのあるメロンやパッションフルーツ、蜜リンゴ、八朔(はっさく)といった果実味が広がり、コクを感じる。キレの良い酸味と栗のような香ばしい甘味・ほのかな渋味と旨味が余韻を残す。 |
料理との相性: |
味・香りともにしっかりした味わいのため、濃厚な味わいの肉料理が特に おすすめ。例えば、シュークルート、ベックオフ(フランス風肉じゃが)、カスベのムニエル、 コンテチーズ、タルトタタンなど。 |
飲み頃: | 今すぐに飲んでも、2,3年待っても楽しめる。 |
2016/10/14
●2015 こことあるシリーズ ぴのぐりワイン・データシートPDF(プリントに適しています)