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2016 第一楽章 ワイン・データシート

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第一楽章は20世紀初頭、川上善兵衛氏によって育種されたマスカット・ベーリーA100%の赤ワインです。原料となるマスカット・ベーリーAは、山頂に位置する畑「開拓園」と赤見の葡萄畑の痩せた土壌で、非常な手間をかけて育てられ、完熟を待って収穫されます。醸造場では真に個性豊かなワインとするため伝統的なヨーロッパの技術を取り入れ、野生の微生物によるワイン造りを行っています。また熟した果実の味わいと複雑さを持つ自然のままのワインに仕上げるために、人の手を加えることを最小限に抑えてビン詰めしました。ワインには強い花の香り、スパイス、果実など品種の特徴が十分に表れています。また、製造工程においては清澄・フィルター処理も一切行なっていません。その結果、ワインはやや曇ったままで熟成とともに澱が沈殿するでしょう。開栓する数時間前にボトルを立て、澱を沈め、ゆっくりと注いでワインをお楽しみください。

テクニカル・データ
品種: マスカット・ベーリーA 100%
畑: 栃木県足利市田島 自家畑
栃木県佐野市赤見 自家畑
収穫: 2016/10/20 11/02(田島)
2016/10/27(赤見)

収穫時の糖度 約22°Brix(平均)

醗酵: 除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。1日2回のルモンタージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。4、5日すると野生酵母による醗酵が始まる。醗酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。注意深くルモンタージュをおこないながら、十分な色素と風味を抽出する。7~12日間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、古樽内で野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を続ける。
熟成: フランス産オークの古樽で6ヶ月半熟成。
瓶詰: オリ引き後、清澄・ろ過処理なしでビン詰。
ビン詰日: 2017/06/02 本数: 1,961 本 (750ml)
アルコール: 12.1 %   酸度: 0.46 g/100 ml   残糖: 0.10 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、にごり気味、黒味がかった赤紫色。香りはカシス、ブルーベリー、イチゴ、黒糖、クローブやシナモンのようなスパイシーさも。繊細な中にも、複雑さや奥行きを感じ、濡れた石のような鉱物質な香りもある。ナチュラルで優しい口当たり、香りと味わいに一体感があり、中くらいのボディに酸味と旨味が合わさったような長めの後味が続いていく。
料理との相性: 鴨のロースト オレンジ風味のソース、雲南きのこ火鍋、鶏と鶏モツのすき焼き風、羊と野菜のスパイス煮込み クスクス添え、牛肉とゴボウのバルサミコ煮、あん肝、ホワイトスティルトン、ブルーベリーなど果物入りクリームチーズ、ポン・レヴェック、イチゴの黒胡椒・ミント風味コンフィチュール、田舎パイのあずき、岡田のパンヂュウ
飲み頃: まだ若々しくもあるが華やかさがあり、今飲んでも美味しい。いい状態で保管できたら7〜10年ほどで香ばしさなどの熟成の兆しが出始め、なめらかさと一体感が更に増し余韻も長くなるだろう。

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2017 タナロゼ ワイン・データシート

 ”こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい試みです。赤ワイン、白ワインといった分類や製法にとらわれず、葡萄が持つさまざまな魅力を引き出すこともそのテーマのひとつです。
 タナはフランス南西部原産の黒葡萄で、赤ワインの渋味の元にもなる「タンニン」が語源と言われ、現地では渋味が強く、色の濃いしっかりした赤ワインがつくられています。世界中のワイン産地から適地適品種の葡萄を探すなかで、私たちはこのタナ種に巡り会いました。今、このタナ種の葡萄は、高温多湿で日照量もそれほど多くない日本においても、他品種と比べて突出した色の濃さとタンニンを持つ葡萄に育っています。
そんな葡萄でロゼワイン!? 不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。実は、タナは渋味や色の濃さだけでなくのびやかな芯のある酸味、ボディといった特筆すべき個性を持ち合わせています。特に長野県高山村の佐藤さんに育ててもらっているタナには、土地の特徴である鉱物のような味わいを感じることができます。
2016年はこの白ワインとしての魅力を生かし豊かな酸とボディを持つ「ブラン・ド・タナ」を造り、この葡萄が赤ワインの魅力と白ワインの魅力をあわせ持っていると実感することができました。それならば何とか両方を共存させることはできないものか? その答えのひとつがこの「2017こころみシリーズ タナロゼ」です。
2017年、醸造場では、タナの果皮の成分が果汁に移るよう、ゆっくり葡萄をプレスし醗酵させてみました。
そして、渋味がほとんどなく、豊かな酸とボディ、赤い果実のフレーバーを持つワインを造ることができました。赤ワインとして有名なタナから、白をそしてロゼをと新しいチャレンジをお楽しみいただければ幸いです。

テクニカル・データ
品種: タナ 100%
畑: 長野県高山村 佐藤農園
収穫: 2017/10/18
収穫時の糖度 約22°Brix(平均)
醗酵: 房全体をやさしくプレスして得られた果汁をステンレスタンクに入れ、野生酵母にて約40日間ゆっくりと醗酵させた。その後、一部を除いて樽内で野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を続ける。
熟成: 樽で約半年(9割強、残りはステンレスタンク)、その後ステンレスタンクで約3ヶ月半熟成。
瓶詰: オリ引き後、清澄せず無ろ過でビン詰。
ビン詰日: 2018/09/17  本数: 1,576本(750ml)
アルコール: 13.1 %   酸度: 0.67 g/100 ml.   残糖: 0.33 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、クリアな淡いサーモンピンク。赤いリンゴ、チェリー、アセロラ、レモン、炒ったアーモンド、フレッシュな果物の香り。口に含むと、豊富な酸味があり、チェリー、アセロラ、レモンなどの果物、バタースコッチのような旨みや少しの塩気もあり、果皮からのわずかな渋味とオークからのスモーキーさが交じり合い、シンプルな中にも複雑な味わいの印象を与えている。
料理との相性: 牛タンの塩焼き、鶏つくね柚子胡椒焼き、タコとキュウリの土佐酢和え、梅干しと昆布のおにぎり、イカのセビーチェ、牡蠣フライのタルタルソース、パスタ・コン・サルデ、サルティンボッカ、ブリード那須、カンタル、チェリーのタルト、レアチーズケーキ
飲み頃: 2020年ごろまでは、フレッシュな香りのある味わいが続くだろう。いい保存状態で、5〜7年くらい熟成させると、一体感と香ばしい余韻がでてくるだろう。向こう10年は十分熟成できる。

2019/01/04

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2016 オークバレル赤 ワイン・データシート

オーク・バレルとは樫の木の樽のこと。「2016オーク・バレル赤」はワイン通のための本格的なワインで、樽のニュアンスがお好きな方にはなかなか好評です。すぐに飲む場合は、デキャンタに移すか、大ぶりのグラスで空気に触れさせて、ゆっくり飲むことをおすすめします。エキス分、パワー、複雑味に富んでいて、なおかつ力強く広がりのあるバランスのよいフルボディの赤ワインですから、牛肉、子羊、鴨料理のよきパートナーとなることでしょう。熟成させたチェダーやウォッシュチーズ、ラクレットとも美味しく召し上がっていただけそうです。 
現在も充分楽しめ、また長期熟成も可能ですから、これから年を重ね、複雑さを増すことも間違いありません。
1989年、日本のこころみ学園の農夫たちによって、カリフォルニア・ソノマに葡萄の苗木が植えられました。このことをきっかけに、こころみ学園とカリフォルニアの葡萄畑の縁が生まれ、カリフォルニアの良質な葡萄を原料として、こころみ学園の旧友マット・クラインさんにココ・ファーム・ワイナリーが醸造を委託するようになりました。ココ・ファーム・ワイナリーでのみ販売中のこのカリフォルニアワイン、お楽しみいただければ幸いです。

テクニカル・データ
品種: カリニャン52 %、ジンファンデル35 %、プティット・シラー6 %、アリカンテ・ブーシェ6 %、ムールヴェードル1 %
畑: カリフォルニア
分析値: アルコール: 15.5 %  酸度: 0.68 g/100 ml.  残糖: 0.57 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、濃いめのルビー、エッジは赤紫色。カシス、ドライプルーン、チョコレート、ユーカリ、バニラ、香木など複雑さのある香り。口当たりは、力強さがあり、しなやかでもある。オーキーで、カシス、ドライプルーン、ルビーポートのような甘みと苦味のある味わいに、程よく酸味もある。アフターに、シナモンやクローブのようなスパイシーさと、土っぽさ、焙煎したコーヒー豆のような香ばしさが続く。
料理との相性: スモークベーコンのグリル、チリコンカン、マカロニ&チーズ、スパゲッティ・ミートソース、足利マール牛のすき焼き(生卵なしで)、お好み焼き、煮込みハンバーグ、スペアリブ、熟成させたチェダーやウォッシュチーズ、チェリーパイ、See’s CANDIESのPEANUTBRITTLE
飲み頃: すぐに飲むなら、デキャンタに移すか、大ぶりのグラスで空気に触れさせて、ゆっくり飲むことをおすすめする。まだ若々しく、渋みや固さが十分にあるので、飲み頃まではしばらくかかるだろう。いい保存状態で熟成できたら7〜10年ほどでエッジがオレンジ色に変わり、香ばしさやオークの風味との一体感がでてきて、余韻もさらに長くなるだろう。

2018/12/09

2016 オークバレル赤ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2017 Here Comes The Moon Wine Details

Japanese

Here Comes the Moon is made from the Kerner grape, a variety relatively unknown to most. It was developed in Germany in the 1950s and is grown to produce outstanding wines in Germany, Austria, northern Italy, and Japan’s northernmost island of Hokkaido.
From the first time we attempted making wine from Hokkaido-grown Kerner we’ve been taken with the tremendous potential that the grape holds. It is marked by an intensity of fruit, strong aromatics, and a crisp spine of acid.
Kerner perhaps reaches its ultimate expression in the coastal hillsides of Yoichi,
an hour drive west of Sapporo. Cooking ocean breezes and fertile, iron-rich soils combine to infuse the wines with an extra depth of flavor. The grapes for this wine were grown by Mr. Fujisawa and Mr. Ara.
Mr. Fujisawa and Mr. Ara performed their magic, turning out grapes with powerful aromas, sturdiness of body, and a beautiful acidic snap.
Careful pressing, fermentation using wild yeasts, and a post-fermentation aging period in stainless steel has yielded a powerful wine showing to great effect Kerner’s fruit profile.
The origin of the wine’s name, Here Comes the Moon, is from a late Edo Period poem which encourages wisdom, patience, and acceptance…
“One should wait for the rising of the moon, yet should not chase after the falling flower petals”.

TECHNICAL DATA
VARIETY KERNER 100%
VINEYARD Nobori and Misono District, Yoichi, Hokkaido, Japan
HARVEST
DATE
22nd, 25th, 30th October 2017
Brix @the Harvest(average): 22oBrix
BOTTLING Bottled on: 25th September 2018
The number of bottles :4,757 (750ml)
ANALYSIS
DATA
Alcohol: 13.4 %   Total acidity: 0.83 g/ 100 ml
Residual Sugar: 0.32 %

09/Dec/2018

2017 Here Comes The Moon Wine Details PDF

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2017 月を待つ ワイン・データシート

English

1969年にドイツで開発されたケルナーは、葡萄交配の大傑作と言われる葡萄品種で、現在、ドイツをはじめオーストリア、日本の北海道などで栽培されています。私たちはケルナーが持つ、華やかな香り、瑞々しい酸、豊かなフルーツに魅力を感じ、敬愛する余市の契約栽培農家さんたちにケルナーの栽培をお願いしています。
 2017年、余市の藤澤さんと荒さんの葡萄畑からは、おいしい酸味と豊かな香りを持つ、素晴らしいケルナーが収穫できました。そんなケルナーの果実の力を逃がさないようにするため、足利の醸造場では、13℃から20℃で野生酵母で醗酵させ、フレッシュさを維持するため9~10ヶ月間ステンレスタンクで熟成後、ビン詰しました。
その結果「2017月を待つ」は、辛口の果実味豊かで清々しい酸を持つきれいな味わいのワインになりました。
名前の由来は「出る月を待つべし、散る花を追うことなかれ」という江戸時代の中根東里の言葉から名付けました。この清貧の儒学者が佐野にひらいた村塾の壁書にこの言葉があったそうです。(磯田道史著「日本人の叡智」新潮新書) そういえば、“Here Comes The Moon ほら、月が顔を出すよ”という名曲もありました。
さあ、お月さまと一緒に、この自然の酸味と真のエレガンスを感じる香り高きワインをゆっくりと楽しみましょう。

テクニカル・データ
品種: ケルナー 100%
畑: 北海道余市 藤澤農園、荒農園
収穫: 2017/10/25、30(藤澤農園)72%
2017/10/22(荒農園)28%

収穫時の糖度 約22°Brix(平均)

醗酵: 葡萄を選果した後、やさしくプレスして得られた果汁をステンレスタンクに入れ、約13~20℃の温度で野生酵母によって約1~2ヶ月間ゆっくりと醗酵させた。一部は酵母醗酵後樽に移し、MLF(マロラクティック醗酵)を促した。
熟成: 1樽以外はステンレスタンクで約9~10ヶ月熟成。
瓶詰: 澱引き後、無ろ過・無清澄でビン詰。
ビン詰日: 2018/09/25 本数: 4,757本(750ml)
アルコール: 13.4 %   酸度: 0.83 g/100 ml   残糖: 0.32 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、クリアな淡いレモンイエロー。ゆず、レモンピール、ライムの清涼感のある香りに、湿った石の様な香りも。口当たりは、スムーズで、ゆず、グレープフルーツ、香りとの一体感のある味わい。シャープな酸味が余韻まで伸び、柑橘の皮のような風味、塩気、ハーブ様の苦味が全体を引き締めている。今年は、キリッとした辛口のワインに仕上がっている。
料理との相性: キスの天ぷら、鯵のカルパッチョ、ハニーローストポーク レモンバターソース、魚介のアクアパッツア、海老とブロッコリーの塩焼きそば、ハーブチキンのグリル、ブリー・ド・那須、カマンベール、レモンメレンゲタルト、グレープフルーツのジュレ
飲み頃: 今から、向こう2、3年は、フレッシュな果実味のある味わいが続くだろう。いい保存状態で、5〜7年くらい熟成させると、オイリーさとぺトロール様の熟成感がでてくるだろう。向こう10年は十分熟成できるだろう。

2018/10/08

2017 月を待つワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2016 サン・ヴァンサンロゼ ワイン・データシート

冬、葡萄の剪定の頃、ヨーロッパのワイン産地では、葡萄の守り神である“サンヴァンサン”のお祭りが開かれます。こころみ学園の葡萄畑でも、剪定後の葡萄の枝を、薪(たきぎ)にしたり、ロゼワインに飾って“サンヴァンサン”をささやかにお祝いします。国際線ビジネスクラスに搭載されたこともある素直に美味しいロゼワインをサンヴァンサンのロゼワインにしました。鍋料理や具だくさんのシチューなど冬の食卓を美味しく彩ります。

テクニカル・データ
品種: カベルネ・ソーヴィニョン 44%
メルロ 21%
マスカット・ベーリーA 17%
セイベル 10%
その他   8%
畑: 山形県上山
長野県高山村
長野県須坂
栃木県大平
山梨県甲州市勝沼
山梨県穂坂
北海道厚沢部
収穫: 2016/9/16, 19, 26, 27   10/04, 06, 07, 08, 09, 10, 12, 13, 16, 18, 20, 22, 27, 31
醗酵: ブドウの実を傷つけないように除梗し、やさしくプレス。時間をかけ丁寧に搾られた、フルーティーで旨みのあるジュースに、コクを出すため若干補糖する。フレッシュな果実味を保つために、低温で 2~3週間かけてじっくり野生酵母で醗酵。
熟成: ステンレスタンクにオリ引きし、低温で約4ヶ月熟成後ブレンド。ろ過後、ビン詰。
瓶詰: ビン詰日: 2017/03/15, 16
アルコール: 10.4 %   酸度: 0.53 g/100 ml   残糖: 1.4 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色は淡い桜色。香りはさくらんぼ、苺のシロップなどの綺麗でフレッシュな印象とともに香ばしさも感じる。口中は、優しい果実の香りが優しく広がり、さくらんぼ、ラズベリーやチェリーなどの素直なやわらかい果実味たっぷりの味わい。
料理との相性: 酢豚、生ハムとメロン、ポークソテー フルーツソース添え、クリームチーズのスモークサーモン巻き、フルーツの盛り合わせ、ラタトゥイユ、カレー、タイ風春雨サラダ
飲み頃: 2019年頃までは若くフレッシュな味わいを楽しめる。以降は熟成により、さらにやわらかい味わいになるだろう。

2018/12/01

2016 サン・ヴァンサンロゼワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2013 北ののぼ ロゼ ワイン・データシート

 「2013北ののぼロゼ」は、北海道余市の木村農園で2013年に収穫されたピノ・ノワールとシャルドネ、ピノ・ムニエから伝統的なビン内二次醗酵方式でつくりました。よいスパークリングワインには豊かな酸が欠かせません。そこでそれぞれの葡萄を、最適なタイミングで収穫。岩見沢の醸造場(10R)で房のまま搾り、フリーランの果汁だけを取り出し、野生酵母で一次醗酵させました。そして翌2014年の春、このキュヴェ(原酒)を足利の醸造場(ココ・ファーム・ワイナリー)に運び、蔗糖と酵母を加え、すばやくビン詰して王冠で打栓。このティラージュビン詰の後は、涼しいセラーで53ヶ月静かに寝かせました。ワインはビン内で二番目の醗酵を行いながら、繊細で細やかな泡を生み出し、熟成を経て、さらに香りの複雑さとボディの厚みを加えていきました。
 2018年の秋、最高の状態になったワインを、こころみ学園の園生たちが、毎朝毎晩ビンを45度ずつ回してルミュアージュを行い、澱をビン口に集めました。その後、澱を冷却機で凍らせて取り除き、糖分を加えないナチュールの状態で打栓し、ワイヤーをかけました。ルミュアージュやデゴルジュマンをはじめ、ほとんど全ての工程が手作業による“北ののぼロゼ”。美しい色、芳醇な香り、のびやかな酸、上品なコクをお楽しみください。

テクニカル・データ
品種: ピノ・ノワール 79 %
シャルドネ 20 %
ピノ・ムニエ 1 %
畑: 北海道余市郡余市町登 木村農園
収穫: 2013/10/10, 14, 15, 17, 21(ピノ・ノワール)
2017/10/27(ピノ・ノワール)
2013/10/04, 05, 07, 08(シャルドネ)
2013/10/08(ピノ・ムニエ)
醗酵: 房のままプレス。フリーラン果汁の澱を軽く沈めた後、野生酵母にてステンレス・タンクで醗酵。
熟成: 選抜酵母でのビン内二次醗酵をへて、53ヶ月酵母の澱と接触させながら熟成を待った。
瓶詰: 澱引き後、清澄せず無ろ過でビン詰。原酒に赤ワインとして仕込んだ2017年のピノ・ノワールを少量加え、味わい・香りのバランスを整えた。
ビン詰日: 2014/05/30(ティラージュ)  2018/11/01, 02、2019/02/05(デゴルジュマン)
本数: 1589本
アルコール: 12.3 %   酸度: 1.31 g/100 ml.   残糖: 0.9 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、クリアなサーモンピンク。リンゴ、レモン、ブリオッシュの様な香ばしい香りに、チェリーやラズベリーの赤い果実の香り。口当たりは、なめらかさがあり、赤い果実や、柑橘のシャープな酸味とふくよかさを感じる。しっかりした酸味に、芯のある旨味、塩気、香ばしさが混ざり合い、余韻が長く続いていく。
料理との相性: ローストビーフのサラダ、生ハムとメロン、鰹の塩たたきを柚子ダレで、ホタテのコロッケ、アランチーニ、海老の棒春巻き、サーモンとクリームチーズのカナッペ、海鮮ちらし寿司、ラ・ロッサ、シャウルス等のクリーミーなチーズ、レアチーズケーキ、イチゴのショートケーキ
飲み頃: 今から、向こう2年はフレッシュで華やかな印象を楽しめるだろう。5年くらいの瓶内熟成で、熟成感と香ばしさが合わさり、複雑さ、余韻がさらに伸びると思われる。

2019/02/19

2013 北ののぼ ロゼワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2017 Kaze no Rouge Wine Details

Japanese

Kaze no Rouge is a full-bodied, full-blooded red wine made chiefly from Hokkaido-grown Zweigelt grapes. Deeply scented, rich, and with a powerfully structured mouthfeel, these wine can be drunk young, but also handsomely repay cellaring. Pair with stews, game, or well-aged cheeses for a wonderful experience.

TECHNICAL DATA
VARIETY ZWEIGELT 95 %, PINOT NOIR 5 %
VINEYARD Nobori Yoichi Hokkaido (ZWEIGELT)
Misono Yoichi Hokkaido (PINOT NOIR)
HARVEST
DATE
11th, 18th, 22nd, 25th October 2017 (ZWEIGELT)
18th October 2017 (PINOT NOIR)
Brix @the Harvest(average): 21.5oBrix
BOTTLING Bottled on: 17th 18th September 2017
The number of bottles: 13,797(750ml)
ANALYSIS
DATA
Alcohol: 12.5 %  Total acidity: 0.55 g/ 100 ml.
Residual Sugar: 0.08 %

6/Nov/2018

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2017 風のルージュ ワイン・データシート

English

「2017風のルージュ」は、ツヴァイゲルト種の葡萄からつくった赤ワインです。意外にも、この赤ワインに使われた葡萄は北海道・余市で育ちました。なぜ“意外にも”かといいますと、赤ワイン用の品種は熟すのに、たっぷりの日光、暖かさ、時間が必要です。しかし、余市の藤澤農園に育ったツヴァイゲルトは、冷涼な気候にもかかわらず、薫り高くよく熟していたからです。そこで、この葡萄の良さを引き出すためにていねいに醗酵させ、慎重に樽で熟成させました。そうして生まれたのが、涼やかな風を感じるエレガントなこの赤ワインです。
ちなみに、「2006風のルージュ」は2008年北海道洞爺湖サミットの7月8日の夕食会にてお使いいただきました。外務省ホームページのG8サミット事務局のワイン紹介には次のように記されています。
「1970年代、ウイーン郊外の修道院から北海道にツヴァイゲルトの苗がもたらされたが、その苗が徐々に広がって今ではこの品種のワインが北海道を代表する赤ワインとなりつつある。冷涼な気候を反映した若々しく豊かな果実味とフレッシュな酸と程よい渋味が身上のこのワインは、飲み応えも十分。未だ知名度は低いが知られざるツヴァイゲルトの魅力、北海道の赤ワインの可能性を存分に感じさせる」
北海道に育ったツヴァイゲルト種のワインの魅力をお伝えできれば幸いです。

テクニカル・データ
品種: ツヴァイゲルト 95 %
ピノ・ノワール  5 %
畑: 北海道余市 藤澤農園(ツヴァイゲルト), 荒農園(ピノ・ノワール)
収穫: 2017/10/11, 18, 22, 25(ツヴァイゲルト)
2017/10/18(ピノ・ノワール)収穫時の糖度 約21.5°Brix(平均)
醗酵: 完熟した葡萄を選果し、二つの方法で仕込んだ。大半の葡萄は、除梗の後ステンレスタンクまたはオークタンクに入れ、野生酵母で醗酵させた。十分に皮から成分を適度に抽出するため、醗酵前半は1日に1回、後半は2日に1回ルモンタージュをしながら約2~3週間醸す。その後マストを搾り、ワインを皮と種から分け小樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促した。一部の葡萄は、全房でステンレスタンクに入れ、14~17℃の室温下でMC(マセラシオンカルボニック)を約3週間行った。その後プレスし、約1週間醗酵させた後、小樽に移し野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を促した。
熟成: 1樽はステンレス樽で、その他はオークの小樽で約10ヶ月~10ヶ月半熟成。
瓶詰: 無清澄・無ろ過でビン詰を行った。
ビン詰日: 2018/9/17,18  本数: 13,797本 (750ml)
アルコール: 12.5 %   酸度: 0.55 g/100 ml.   残糖: 0.08 %
このワインについて
テイスティング・
コメント:
色合いは、黒みがかったルビー、エッジは赤紫色。カシス、ピンクグレープフルーツ、黒胡椒・赤胡椒、焙煎したコーヒー豆の香り。口当たりはなめらかで、フレッシュなピンクグレープフルーツの酸味主体の軽快さのある味わい。カカオのような苦味もあり、後口を引き締めている。アフターに、香木のような香ばしさもある。
料理との相性: ローストビーフやマグロのカルパッチョ バルサミコソース、ジャンボン・ペルシエ、鹿肉のステーキ 黒胡椒風味ソース、ブリしゃぶ、トマトと牛肉のオイスターソース炒め、ブリーなどの白カビのチーズ、グレープフルーツのジュレ、ブルーベリーのタルト
飲み頃: 今から2〜3年は、フレッシュな果実味のある味わいが続くだろう。いい状態で熟成させれば、向こう7年は熟成できる。

2018/11/7

2017 風のルージュワイン・データシートPDF(プリントに最適です)

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2016 zweigelt Wine Details

Japanese

Zweigelt?….. Zweigelt????
What is it? How does one pronounce it?
The Zweigelt grape variety certainly has it’s share of identity problems. It is not very well known outside of some tiny corners of the wine world. And it’s name—rather clunky and unpoetic—doesn’t help attract followers. “Pinot noir” and “Chardonnay” sound delicious, mellifluous and rounded as the names roll off the tongue. Say “Zweigelt” and it sounds like you’re choking on a fish bone.
Which is all too, too unfortunate. Because Zweigelt (some call it “Zwei” to save time) is a very high quality red wine grape, uniquely suited to making wines of depth in the cold north of Hokkaido. The grape variety comes from Austria, where it was developed in the early 1900s by one Dr. Zweigelt (how’d you like to go through life with THAT name!). What Dr. Zweigelt was hoping to achieve via grape breeding we can only guess, but by crossing the St. Laurent and Blaufrankisch grape cultivars he ended up with an early ripening variety that yields (when done well) wines with excellent fruit, structure, color and aroma.

The 2016 COCO TOARU ZWEIGELT is our inaugural attempt with this wine from new vineyards planted in Yoichi’s Nobori sub-region. It is actually a blend of two vineyards…. The NAKAGAWA vineyard is “hidden” among a series of hills in Nobori’s northeast sector, a very sheltered spot with sandy soils and little wind. The KONISHI vineyard is in a far more exposed site, a hilltop overlooking the town of Yoichi and the Japan Sea.
In the cellar, in keeping with the Coco Toaru philosophy, the grapes were lightly crushed, fermented with wild yeasts at moderate temperatures, pressed gently, and then aged in a mix of wooden barrels and small-volume stainless steel tanks.
Nothing is added to the wine except a modicum of sulphur dioxide at bottling, and nothing is removed as we avoid the use of damaging filtration equipment.
We hope you enjoy our attempt at a Coco Toaru Zwei. We had great fun making the wine, and are encouraged by the results. A Votre santé!

TECHNICAL DATA
VARIETY Zweigelt 100%
VINEYARD Nakagawa vineyard, Nobori, Yoichi, Hokkaido
Konishi vineyard, Nobori, Yoichi, Hokkaido
HARVEST
DATE
26th~30th October 2016 (Nakagawa vineyard)
24th, 25th October 2016 (Konishi vineyard)
BOTTLING Bottled on : 19th 20th August 2018
The number of bottles : 5,547 (750ml)
ANALYSIS
DATA
Alcohol : 11.9 %  Total acidity : 0.55 g/ 100 ml.
Residual Sugar : 0.04 %

31/Oct/2018

2016 zweigelt Wine Details PDF