“こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインをつくろうという私たちの実験的な試みです。
私たちは、2013年から北海道余市のいろいろな葡萄品種で“こころみシリーズ 雲の時間”という白ワインを造りはじめました。今回の赤ワイン、「こころみシリーズ2016雲の時間 茜」は、ココ・ファーム・ワイナリーの契約農家である北海道余市の藤澤さんや荒さんたちのチャレンジ精神から生まれた赤ワインです。
藤澤農園のアルモノワール、レゲント、ピノ・ムニエ、レンベルガー、カベルネ・フラン、そして荒農園のピノ・ノワール・・・、これらの葡萄品種は有名無名を問わず、いずれも赤ワイン用ですが、余市では栽培例の少ないこれらの品種を新しくはじめるのは困難を伴うことでした。また、うまくいくかどうかわからないことを実際にやってみるのが“こころみシリーズ”とはいえ、苗木を植えて葡萄が実るまで5〜6年を要することを考えると、ココ・ファーム・ワイナリーの契約農家の皆さんの勇気に頭がさがります。
まだ樹も若い赤ワイン用葡萄品種ですが、ワインとしての可能性を大いに感じています。赤ワインですので、茜色の夕焼け雲をイメージして、ワインの名前とラベルにしました。
テクニカル・データ | |
品種: |
ピノ・ノワール 44.5% アルモノワール 20.1% レゲント 19.4% ピノ・ムニエ 12.6% レンベルガー 2.1% カベルネ・フラン 1.3% |
畑: |
北海道余市郡余市町美園 荒農園(ピノ・ノワール) 北海道余市郡余市町登 藤澤農園(アルモノワール、レゲント、ピノ・ムニエ、レンベルガー、カベルネ・フラン) |
収穫: |
2016/10/16 2016/10/24 収穫時の糖度: 21.8°Brix(平均) |
醗酵: | 手除梗を行った藤澤農園、荒農園の葡萄をそれぞれ別のステンレスタンクに入れ、蓋をする。醗酵の状況を確認しながら、必要に応じて手で撹拌を行う。10~14日後にバスケットプレスにて果汁を絞り、ブレンドした。 |
熟成: | 約6カ月の熟成後、無清澄・無ろ過でビン詰め。 |
瓶詰: |
ビン詰日: 2017/05/26 本数: 113本 (750ml) アルコール: 11.5 % 酸度: 0.55 g/100 ml 残糖: 0.09 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
チェリー、コケモモ、スミレ、香木の香り。マセラシオン・カルボニック由来の香り、フレッシュで、酸味主体のやや軽めのボディだが、複雑さもある。甘草、香木のような香ばしさと黒胡椒のようなスパイシーさ、アーシーな印象もある。 |
料理との相性: | 鹿肉のタタキ風、チキンのローズマリー風味のソテー、ドライトマトとチョリソーのピザ、ラザニア、チリコンカン、ラタトゥイユ、ワラサの造り、モツ鍋(しょうゆベース) |
飲み頃: | 渋みがそれほど強くないので、夏場なら少し冷やしてもいい。冬場は、セラー温度からはじめて、ゆっくりと室温に上げるのがいいだろう。今から、3年くらいは若々しく溌剌とした状態を楽しめる。5〜7年くらいは、瓶熟成によりこなれてきて、なめらかさが増し香ばしさも出てくるだろう。 |
●2016 雲の時間 茜ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)