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ワイン・データシート

2013 こころみシリーズ 第2楽章 ワイン・データシート

“こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの新しい試みです。異なる畑の様々なブドウを使用したこの限定発売プログラム。この私たちの“試み”をぜひお試しください。

こころみ学園の葡萄畑では、開墾当初から、20世紀初頭の著名な葡萄栽培家川上善兵衛氏によって開発されたマスカット・ベイリーAを育ててきました。この日本の代表的赤ワイン用葡萄品種からなるワインを、真に個性豊かなワインとするため、伝統的なヨーロッパの技術を取り入れ、非常な手間をかける農作業、そして手作業によるワイン造りを行い、普段は、自家畑(こころみ学園開拓園や赤見の葡萄畑)のマスカット・ベイリーAから一番良い樽を厳選して、「第一楽章」というワインをつくっています。
2013年、この年は、こころみ学園開拓園の葡萄からつくられた樽も、佐野市赤見の畑の痩せた土壌の葡萄から生まれた樽も、それぞれ、質も個性も、とても素晴らしいものでした。そこであえてブレンドせずに、100%赤見の葡萄畑のマスカット・ベイリーAのみの樽も独自にビンに詰めてみました。
1980年代に佐野市赤見に開墾された葡萄畑は、1950年代に開墾されたこころみ学園の山の葡萄畑と同じように、南西向きの山の急斜面にあります。この赤見の葡萄畑は、こころみ学園から車で15分。この山を借りはじめた当初、ワイン好きの土地の持ち主さんには、ワインで畑の地代を払っていました。30年近い年月を経て、私たちは、この赤見の葡萄畑から、こんな赤ワインをつくれるようになりました。「ワイン好きだったTさんに飲んでもらいたかったなぁ」と思わずにはいられません。

「2013第二楽章」、この赤ワインには強い花の香り、スパイス、果実など品種の特徴が十分に表れています。またこのワインは熟した果実の味わいと複雑さを持つ自然のままのワインに仕上げるために、製造過程において清澄・フィルター処理を一切行なっていません。その結果、ワインはやや曇ったままで熟成とともにオリが沈殿するでしょう。開栓する数時間前にボトルを立て、オリを沈めておくことをお勧めいたします。オリが舞わぬようグラスにゆっくりと注ぎ、ワインをお楽しみください。このワインをお飲みくだされば、いろいろな楽曲の第二楽章に、たおやかな名曲が多いことを思い出していただけることでしょう。

テクニカル・データ
品種: マスカット・ベイリーA 100%
畑: 栃木県佐野市赤見
収穫: 2013/10/21, 22    収穫時の糖度: 21.21°Brix
醗酵: 除梗し軽く破砕して、小型のタンクへ移す。1日2回のピジャージュをおこないながら、徐々にマストを温めてゆく。4、5日すると野生酵母による発酵が始まる。醗酵は高めの温度ですすみ、残糖がなくなるまで続く。注意深くピジャージュをおこないながら、十分な色素と風味を抽出する。おおよそ10日間醸した後、マストを搾り、ワインを皮と種から分ける。その後、小樽内で野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック発酵)を続ける。
熟成: フランス産オークの古樽で13ヶ月熟成した後、オリ引きし、清澄・濾過処理なしで瓶詰。
瓶詰: 瓶詰日: 2014/12/24 本数: 2,298本 (750ml)
アルコール: 11.90%   酸度: 0.563 g/100 ml   残糖: 0.125%
このワインについて
テイスティング・
コメント:
「2013こころみシリーズ 第二楽章」は、香りはストロベリー、チェリー、ラズベリー、カシスなどのフルーツに、黒砂糖やシナモンのようなスパイス、ミントのニュアンスがアクセントを添えている。味わいはいちご・焼いたフルーツのニュアンスに、コクと透明感が同時に感じられ、バランスが取れている。酸味と細かい渋味が溶け合い、滋味溢れる余韻が続く。
料理との相性: うなぎのかば焼き、鴨の治部煮、ビーフ・シチュー、地鶏と鶏モツのすき焼き、イノシシ鍋
飲み頃: 現在から2023年頃まで。保存状態によっては、適切な熟成により複雑味と柔らかさを増し、まろやかで素晴らしいまとまりのあるワインに成長するでしょう。

2015/10/27

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