「ロバの足音」は干して半乾燥させた甲州種によるデザートワインで、イタリア全土で産出される力強くも素朴なワイン「ヴィン・サント」への敬意のもと造られました。
ブドウは収量を低く制限し(35hl/ha)、できる限り遅い10月下旬頃収穫され、椎茸栽培用乾燥機を使って乾燥します。乾燥により糖度が約16°Brixから約45°Brixまで凝縮されたブドウは、小型タンクに移され、ドイツにおけるトロッケンベーレンアウスレーゼの手法と同様に、前年産のワインで潤し数日間マセラシオンします。圧搾して得られる果汁は非常に微量で、換算すると13hl/haという希少なものです。酵母が活性する比較的高い温度(約18℃)で醗酵は始まり、その高い糖度のため約6ヶ月続きます。醗酵終了後、酵母が安定したらオリ引き、そして熟成。醗酵が始まってから約7年後、ようやくビン詰の段階となります。
テクニカル・データ | |
品種: | 甲州 |
畑: | 山梨県甲州市勝沼 |
収穫: | 2008年 仕込み時の糖度: 約45°Brix |
醗酵: | 干したブドウをプレスし、乾燥酵母を使用して、フレンチオークの木樽にて醗酵。約18℃の温度で約 6ヶ月醗酵が続く。 |
熟成: | フレンチオークの古樽で約76ヶ月熟成後、オリ引き。 |
ビン詰: |
無清澄・無ろ過にてビン詰を行った。 ビン詰日: 2015/07/17 本数: 516 本(375ml) アルコール: 11.8 % 酸度: 1.05 g/100 ml. 残糖: 27.2 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
ロバの足音は、たいへん力強く、これからの熟成に大きな期待の持てるデザートワイン。色調は琥珀を帯びた深い黄金色で、エキス分の高さからくるもの。香りは情熱的。金柑のシロップ漬けや、蜂蜜、レーズン、ロウ、メープルシロップといったものが感じられる。しっかりしたボディーと余韻の長さを持ちつつ、やさしくソフトな印象。豊かな甘味、程よいアルコールと爽やかな酸味を感じ、バランスはよくとれている。 |
料理との相性: | 甘いデザート、重めのチーズなど:オレンジタルト、クリーム・ブリュレ、ティラミス、ビスコッティー、青カビチーズ、パルメザン・チーズ、信玄餅 |
飲み頃: | 現在から20~30年後:長期熟成が可能。円熟した奥深いワインとなるであろう。 |
2016/04/27
●2008 ロバの足音ワイン・データシートPDF(プリントに適しています)