私たちは2004年頃から小公子から「のぼっこ」というヌーボー(新酒)を造ってきました。日本の山葡萄から澤登春雄氏によって作出された小公子は、色が濃いのにタンニンが少なく豊かな酸味とさくらんぼやざくろのような味わいが特徴です。良いスパークリングワインには豊かな酸が必要不可欠。この小公子の酸に着目して「のぼっこ」をつくる過程の遊び心から、2017年「ルビーの泡」は生まれました。
2021年ヴィンテージは、小公子が持つより繊細かつクリアな果実の風味を引き出すため、山形で育った葡萄と佐野市赤見の自家畑の葡萄のフリーランの果汁を集め、タンクで約2週間醗酵。培養酵母を加えず、繊細な赤い果実の風味とスパークリングワインとしての味わいのバランスが整うまで、約8カ月間ビン内で醗酵・熟成させました。その後、こころみ学園の園生たちが手作業で毎朝毎晩45度ずつビンを回しながらルミュアージュ。その後、ビン口を凍らせデゴルジュマンで澱を抜きました。
野生酵母だけで造られた豊かで元気な泡、透きとおるルビー色、きれいな酸味・・・。スパークリングワインの爽やかさと赤ワインのリッチな果実味。敬愛するイタリアの“ランブルスコ”のようにスタイリッシュな魅力をお伝えできれば幸いです。酸化防止剤を加えていません。よく冷やしてどうぞ。
テクニカル・データ | |
品種: | 小公子 100% |
畑: |
山形県上山 尾形畑、木村畑 栃木県佐野市赤見 こころみ学園 |
収穫: |
2019/08/28 2020/08/12, 24 09/01 2021/08/10, 24, 28 収穫時の糖度(平均)約20.0°Brix |
醗酵: | 葡萄を房ごと、フリーラン・弱い加圧で搾ったジュースをステンレスタンクに入れ、野生酵母により醗酵が始まるのを待つ。醗酵後、状況を確認しながら澱引きを数回行うことで、果実の香りをよりクリアに引き出す。 |
熟成: | 澱引き後、残糖調整を行った上でビン詰し、ビン内醗酵を行いながら約8カ月間熟成。 |
瓶詰: |
ビン詰日:2021/09/15(ティラージュ) 2022/05/26(デゴルジュマン) 本数:760本 アルコール:12.1% 酸度:5.4 g/L. 残糖:0.7g/L. |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いはピンクがかったルビー色。アセロラやラズベリーなどの果実や梅ジャムやインク、きび糖などの香りが複雑に広がる。味わいは元気な泡を口中に感じ、フレッシュな酸と果実の甘みと共に余韻に柔らかい渋みを感じる。 |
料理との相性: | ハモンセラーノ、玉ねぎとにんじんのクミンマリネ、筍の土佐煮、鯖サンド、そら豆のフリット、蕪のロースト、静岡おでん、新玉ねぎのかき揚げ、たらの芽の天婦羅、四川風麻婆豆腐、広島お好み焼き、イワシと黒オリーブのパスタ |
飲み頃: | 2023~2025年は、フレッシュでクリーンな味わいを楽しめる。2026年からは、一体感が増して、まろやかさが出てくるだろう。 |
2022/06/24
●2021 ルビーの泡ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)