「マタヤローネ」は勾配が急なこころみ学園の自家畑で収穫されたマスカット・ベーリーAを、干して半乾燥させた濃厚な味わいのデザートワインです。葡萄は収量を低く制限し(35hl/ha)、成熟したタイミングを見計らって収穫します。果粒を満遍なく乾燥させるため、1~5粒ずつ軸をカット。この葡萄の粒を干椎茸用乾燥機を使って乾燥させ、さらに凝縮した味わいを得ます。乾燥により糖度が約20°Brixから30~40°Brixまで上がった葡萄を、きれいな長靴を履き足で破砕した後、小型タンクに移し約1カ月間マセラシオンします。圧搾して得られる果汁はとても微量で、換算すると通常のワインの約半分という希少なものです。酵母が活性する比較的高い温度(18℃)で醗酵は始まり、その高い糖度のため約6カ月もの間醗酵が続きます(通常のワインの場合、醗酵期間は約2週間)。醗酵終了後、澱引きせずにそのまま熟成。醗酵が始まって約4~5年後、ようやくビン詰めの段階となります。
私たちが大好きなイタリアのレチョートやアマローネに敬意を表してつくったワイン、マタヤローネ。「またやろうね」・・・仕事を終えた夕暮れ、園生の一言をワインの名前にしました。
テクニカル・データ | |
品種: | マスカット・ベーリーA 100% |
畑: | 栃木県佐野市赤見、足利市田島 こころみ学園 |
収穫: |
2012/10/08、2013/11/08、2017/10/19(佐野市赤見) 2012/10/09、2013/10/02、2017/10/19, 25(足利市田島) 乾燥後の糖度(平均):約36°Brix 収穫方法:手摘み |
醗酵: |
約1カ月間マセラシオンした後プレスし、フレンチオーク樽にて醗酵。 約18℃の温度で約 6カ月醗酵が続く。 |
熟成: |
醗酵終了後、澱引きせずにそのまま熟成。 熟成期間は2012年産が約111カ月、2013年産が約98カ月、2017年産が約48カ月。 |
瓶詰: |
澱引き後、濾過しながらビン詰。 ビン詰日:2022/01/26 本数:1,361本 (375ml) アルコール:14.6 % 酸度:9.3g/L. 残糖:142g/L. |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
落ち着いた印象のマホガニー色、エキス分の高さを感じさせる。ドライアプリコット、レーズン、黒糖、メープルシロップ、チョコレートの甘やかな香りにオレンジリキュール、ナツメグ、ヘーゼルナッツ、葉巻や腐葉土の香りが複雑に混ざり合う。口に含むとしっかりとした甘み、粘性、ヴォリュームを感じ、心地よい苦みと味わいを引き締める細かな酸味がゆっくりと余韻に広がっていく。 |
料理との相性: | ゆば刺し、フォアグラのキャラメリゼ、ケークサレ、北京ダック、ロックフォール、フルムダンベール、オペラ、マドレーヌ、シュトレン、ビスコッティ、大麦ダクワーズ |
飲み頃: | 2022年〜長期熟成が可能。保管状態がよければ20~30年の熟成にも耐えられる。熟成を重ねるたびにより一層、円熟した奥深いワインとなる。抜栓後1週間程度は保存可能なのでゆっくりと時間をかけて味わいを楽しんでいただきたい。 |
2022/06/24
●MV マタヤローネワイン・データシートPDF(プリントに最適です)