「ルビーの泡」という名前のワインを最初に造ったのは、2017年のことでした。私たちは2004年頃から小公子という赤ワイン用葡萄から「のぼっこ」というヌーボー(新酒)を造ってきました。日本の山葡萄から澤登春雄氏によって作出された小公子は、色が濃いのにタンニンが少なく豊かな酸味とさくらんぼやざくろのような味わいが特徴です。この小公子の酸に着目して「のぼっこ」をつくる過程の遊び心から「ルビーの泡」は生まれました。良いスパークリングワインにはしっかりした豊かな酸が必要不可欠だからです。
2020年ヴィンテージは、小公子が持つより繊細かつクリアな果実の風味を引き出すため、山形で育った葡萄と佐野市赤見の自家畑の葡萄のフリーランの果汁を集め、タンクで約3週間醗酵。培養酵母を加えず、繊細な赤い果実の風味とスパークリングワインとしての味わいのバランスが整うまで、約6カ月間ビン内で醗酵・熟成させ、こころみ学園の園生たちが手作業で毎朝毎晩45度ずつビンを回しながらルミュアージュ。その後、ビン口を凍らせデゴルジュマンで澱を抜きました。
野生酵母だけで造られた豊かで元気な泡、透きとおるルビー色、きれいな酸味・・・。スパークリングワインの爽やかさと赤ワインのリッチな果実味。いいとこどりのワインです。敬愛するイタリアの“ランブルスコ”や世界中で造られている、冷やして飲む赤いスパークリングワインのようにスタイリッシュな魅力をお伝えできれば幸いです。酸化防止剤を加えていません。よく冷やしてどうぞ。
テクニカル・データ | |
品種: | 小公子 100% |
畑: |
山形県上山 尾形畑、木村畑 栃木県佐野市赤見 こころみ学園 |
収穫: |
2020/08/12, 24 09/01
収穫時の糖度(平均)約21.3°Brix 収穫方法:手摘み |
醗酵: | 葡萄を房ごと、フリーラン・弱い加圧で搾ったジュースをステンレスタンクに入れ、野生酵母により醗酵が始まるのを待つ。醗酵後、状況を確認しながら澱引きを数回行うことで、果実の香りをよりクリアに引き出す。 |
熟成: | 澱引き後、残糖調整を行った上でビン詰し、ビン内醗酵を行いながら約6カ月間熟成。 |
瓶詰: |
ビン詰日:2020/09/21(ティラージュ) 2021/04/01、02(デゴルジュマン) 本数:2,045本 アルコール:12.5% 酸度:5.8 g/L. 残糖:1.7g/L. |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いは濃いルビー色。ダークチェリーやザクロなどの果実やキャンディー、インク、タバコなどの香りが複雑に広がる。味わいは元気な泡を口中に感じ、フレッシュな酸や余韻に柔らかい渋みを感じる。 |
料理との相性: | ガスパチョ、玉ねぎとにんじんのクミンマリネ、鯖サンド、そら豆のフリット、蕪のロースト、蛸とオリーブのトマト煮、たらの芽の天婦羅、鶏むね肉の甘辛炒め、スモークサーモンのベーグル、イワシと黒オリーブのパスタ |
飲み頃: |
2021~2023年 フレッシュでクリーンな味わいを楽しめるだろう。 2024年からは一体感が増して、まろやかさが出てくるだろう。 |
2021/04/05
●2020 ルビーの泡ワイン・データシートPDF(プリントに最適です)