こことあるシリーズの「2018ぴのろぜ」は、今回で6年目のヴィンテージです。このロゼワインは、もともと赤ワインをつくるつもりのピノ・ノワールを試しにロゼワインにしたことがはじまりでした。1回限りのつもりで造ったワインが好評で、それ以来洗練させながら最良の方法を模索しています。
2018年、北海道は乾燥した年で、北海道余市の屈指の栽培農家・木村農園では例年よりも涼しい秋を迎えました。この木村農園の遅摘みピノ・ノワールは、硬質な果実が味わいの中心にあり酸も強く、なかなかよいヴィンテージでした。このピノ・ノワールを100%用いて、岩見沢の醸造場(10R)では葡萄を房ごとタンクに入れ、かなり長い時間、北海道の冷涼な気候だからこそできる低温で、マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬)を行いました。それによってやわらかなアロマやフレーバー、旨みや、程よい“blush(ブラッシュ)”の色合いを果皮から抽出しました。葡萄をプレス(圧搾)した後は、厳選された樽とステンレスタンクで野生酵母や野生乳酸菌により醗酵を続けました。そして醗酵後も澱と一緒に熟成させ、やさしい口当たりとアロマと、味わいを備えた複雑さをワインに与えていきました。
おかげさまでこのドライなロゼワインは、より爽やかで、より複雑で、多彩なお料理にも合わせやすくなりました。熟成にも期待が持てそうです。この辛口のロゼワインが、いつもの食卓やお友達との集まりの席を盛り上げるお気に入りのワインになれることを願っています。
テクニカル・データ | |
品種: | ピノ・ノワール 100% |
畑: | 北海道余市郡余市町登 木村農園 |
収穫: | 2018/10/20 |
醗酵: |
葡萄を選別した後、マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬)を行った。 その後、じっくりと搾り、ステンレスタンク、古樽にタンク移動し、野生酵母によりゆっくり醗酵させた。野生乳酸菌によるMLF(マロラクティック醗酵)を行った。 |
瓶詰: |
ビン詰直前に澱引き、ブレンド。極少量の亜硫酸塩添加後、無清澄・無濾過にてビン詰。 本数:2258本(750ml) アルコール:11.4% 酸度:0.48 g/100 ml. 残糖:0.1 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いはクリアなオレンジがかったサーモンピンク。アセロラ、フランボワーズ、ブラットオレンジ、ほおずきの香りにピンクペッパー、ドライセージなどのスパイス、セミドライトマトや甘草の香りもあり複雑、口当たりは伸びやかな芯のある酸味を軸にピンクグレープフルーツのような旨味と苦みが香ばしさとともに続いていく。 |
料理との相性: | カニとレタスのサラダ、豚肉とミニトマトの串焼き、ごぼうの天婦羅、魚介のアクアパッツア、秋鮭のちゃんちゃん焼き、ロースハムのグリル、ジャークチキン、スモークチーズ、ミモレット、レモンのシャーベット、ごま団子 |
飲み頃: |
2019年~2023年 フレッシュで豊かな果実味のある味わいが続く。 2024年~2026年 酸味がなじみ、香ばしさと合わさり、円熟した味わいになる。 温度で印象が変わるので、酸味が好きなら、冷やして(10~14℃)酸味を和らげたいなら、 高めの温度(15~18℃)がおすすめ。 |
2019/10/30
●2018 こことあるシリーズ ぴのろぜワイン・データシートPDF(プリントに最適です)