現在世界中で造られているピノ・グリには、いろいろなタイプがあります。はつらつとフレッシュなイタリアのピノ・グリージョ(Pinot Grigio)、リッチかつまろやかなニュージーランドやカリフォルニアなど新大陸の造り、ねっとり、うっとりと絡みつく蜂蜜のような舌触りで、スパイシーなコクのあるアルザス地方のワイン。さらに、ドイツではルーレンダー(甘口)またはグラウブルグンダー(辛口)の別名もあり、その他、スイス、ハンガリー、スロヴェニア、ロシア、モルドヴァ、カナダなど実に様々な場所で様々な解釈でピノ・グリのワインが造られています。
こことあるシリーズの「2017ぴのぐり」は、日本の北海道余市の優れた栽培家が育てたピノ・グリから造りました。2014年にはじめてピノ・グリからワインを造り、2017年は2015年に続く3回目のヴィンテージです。
2017年に北海道でこの品種を仕込むにあたって、私たちには特に好みのスタイルやこだわりはありませんでした。ただ日本の冷涼な気候に育ったこの葡萄が、なりたいワインになれるよう、必要最小限に手を加え、かつ最大限に注意深く見守り、お世話をしようと考えただけでした。2017年の北海道は一年を通して雨が少なく乾燥しており、余市は涼しい秋を迎えました。そのため、この年のワインは硬質な果実が味わいの中心にあり、それに強い酸味が伴っています。原料の葡萄が、日本でも最も高く評価されている、北海道余市町の中川さん、木村さんの二つの畑からやってきた折り紙つきだったため、素直な造りが可能になりました。
2017年の日本の北国の爽やかさを反映した「2017ぴのぐり」。ごゆっくりお楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: | ピノ・グリ 100% |
畑: | 北海道余市郡余市町登 中川農園 木村農園 |
収穫: |
2017/10/26(中川農園) 2017/10/14(木村農園) |
醗酵: | 葡萄を選別した後、房ごと低圧で搾った。2日間常温で沈殿させた後、ステンレスタンク55%、古樽45%(5年目フレンチオーク)に澱引き。約17℃で野生酵母による醗酵、野生乳酸菌によるMLF (マロラクティック醗酵) を2018年4月まで行った。 |
熟成: | 醗酵後澱引き、ブレンドを行い、ステンレスタンクで更に3カ月熟成。 |
瓶詰: |
少量の亜硫酸添加後、無清澄・無濾過にてビン詰 ビン詰日: 2018/09/05 本数: 2,616本(750ml) アルコール: 11.9 % 酸度: 0.60 g/100 ml. 残糖: 0.41 % |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
色合いは、緑がかったクリアなイエロー。パイナップル、ハチミツ、カリン、黄桃、タイムやラベンダーの香り。丸みのある口当たり、中くらいのボディ、レモンキャンデイ様の甘さがあるが、酸味が豊かなので、ちょうどいいバランス。オークの甘く香ばしい余韻とグリ系由来のほろ苦さがあいまって、一見シンプルだが複雑さも垣間見せる。 |
料理との相性: | 筑前煮、茶碗蒸し、鮎の春巻き、ジェノベーゼ風味のポテトサラダ、オムレツマカロニグラタン、シーザーサラダ、魚介のフリカッセ、蟹クリームコロッケ、コンテチーズ、シェーブルチーズ、洋梨のコンポート、レモンメレンゲパイ |
飲み頃: | 今すぐから、5年後ぐらいまで豊かな果実感を楽しめるだろう。温度の違いで味わいの印象が異なるので、甘さを感じたいなら、温度を高めに。すっきりと味わいたいなら、よく冷やして。 |
2018/10/8
●2017 こことあるシリーズ ぴのぐりワイン・データシートPDF(プリントに最適です)