2020年夏、ココ・ファーム・ワイナリーは8年間熟成の時を経たこの「こころみシリーズ2012プティ・マンサン」を蔵出しします。“こころみシリーズ”は可能な限りベストなワインを造ろうという私たちの試みで、1950年代に開墾された山の葡萄畑に2006年に植樹されたプティ・マンサンは、2013年ヴィンテージまではこころみシリーズとしてリリースされていました。現在、このプティ・マンサンのワインは、自家畑で生まれた白ワインとしてレギュラーの役割をしっかり確実に勤めています。
ここ北関東足利の夏は暑く、2012年隣の佐野市の観測所では猛暑日を27日記録しています。このように暑すぎる日が続くと、葡萄は酸が減って実が病気にかかりやすくなってしまいます。しかし私たちには気候変動に対応できるような良質の白ワインをつくりたいという願いがありました。そこで世界各地の産地を調べ、実際にテイスティングしてフランス南西部スペインとの国境に近いピレネー山脈の麓でプティ・マンサンに巡り会いました。この葡萄は小粒で房も小さく、いきいきとした酸味を持つのが特徴で、この地方でつくられる甘口のワインは驚くほどの凝縮感と余韻の長さを持っていました。このワインを日本で造ってみたら・・・酸味が適度に残って甘さも控えめな葡萄になるかもしれない。こんなことを予測し、結果、足利の暑さにも耐え、美味しい酸を残したままよく熟した葡萄ができワインも上質なワインになりました。希少な蔵出しプティ・マンサンもお楽しみいただければ幸いです。
テクニカル・データ | |
品種: | プティ・マンサン 100% |
畑: | 栃木県足利市田島70%、山形県上山30% |
収穫: | 2012/9/24,25,26 10/8 収穫時の糖度:20.03°Brix(平均) |
醗酵: | 房ごと葡萄をやさしくプレスして、ステンレスタンクに入れる。葡萄の香りを逃がさないように18℃位でゆっくりと2カ月間、野生酵母で醗酵させた。 |
熟成: | 醗酵終了後、樽で2カ月間、その後ステンレスタンクで10カ月間熟成。 |
瓶詰: |
清澄・濾過なしで瓶詰め 瓶詰日: 2013/12/18 本数: 1,287 本 (750ml) アルコール: 12.0% 酸度: 0.682g/100 ml 残糖: 0.46% |
このワインについて | |
テイスティング・ コメント: |
パイナップルやライチなどの南国系フルーツに、ピーマンなどの野菜のグリーンな香り、ヨード、海藻、貝殻のような香りなど複雑に重なり合った印象。香りの複雑さとは逆に、華やかなフルーツの風味と抜け感のある酸味が全体を支えている。 |
料理との相性: | ちらし寿司、牡蠣フライタルタルソース、キスのてんぷら 塩とレモンで、パイナップル入り酢豚、フルーツサラダ、マーマレードのスペアリブ |
飲み頃: | 現在、飲み頃。時間が経つにつれて円熟した奥深いワインとなるでしょう。 |
2020/07/21
●2012 こころみシリーズ プティ・マンサンワイン・データシートPDF(プリントに最適です)