ワインの酸化防止について

ワインラベルの裏の「酸化防止剤(亜硫酸塩)」についてお話させていただきます。
ココ・ファーム・ワイナリーではワインに必要かつ最小限の亜硫酸塩を添加することがあります。
亜硫酸塩を添加することには、二つの目的があります。
一つは微生物の活動を抑制すること。つまり、ワインの中で好ましくないバクテリアや酵母(酢酸菌、灰色カビ菌、産膜酵母、ブレタノマイセス等)が繁殖するのを防ぐことです。こうした微生物は、できあがったワインの味や香りによくない影響を及ぼすことがあり、たとえば酢酸菌(アセトバクター)という微生物の影響を受けると、どんなに素晴らしいワインも酢に変わってしまいます。
もう一つは、ワインの酸化を防ぐことです。私たちがワインをつくる際に気遣っていることは、それぞれの葡萄の個性を生かし、葡萄の育った自然風土から醸成される複雑な風味を、いかにワインの中にお伝えできるかということです。ワインは本来かなりデリケートで、そのまま放置しておくと、簡単にその個性やバランスを失ってしまいますが、適度の亜硫酸塩によって、ワインにとっては好ましくない酸化の状態を防ぐことができます。

多くの人たちが、この添加物(亜硫酸塩)の影響を心配しています。
亜硫酸塩を加えたワインは健康に害がないかどうか? 亜硫酸塩を加えずにワインはつくれないか? その問いかけに対して私たちはこう考えます。
まず、亜硫酸塩をワインに添加するということは決して科学の時代に登場した近代技術ではないということです。2000年以上も前の記録によると、古代ローマ時代の人々がアンフォラというワインを入れる壷に、ワインを満たす前に硫黄のかたまりを燃やして亜硫酸をつくりだし、雑菌の繁殖を防いだのが亜硫酸塩の恩恵にあずかった始まりといわれています。その技術が数千年の過程を経て現在の形で完成しました。
現在、世界の有機ワインづくりにおいても亜硫酸塩の使用を認めています。現在では亜硫酸塩の値を正確に測定でき、ごく微量なレベルでの添加が可能です。日本の食品衛生法第11条の厚生省告示第370号 食品、添加物等の規格基準によれば、酸化防止を目的とした亜硫酸塩の使用基準は0.35g/kg未満で、この数字は成人が長年、日常的にワインを摂取しても健康に害を及ぼさないという判断によるものです。
私たちのワインの亜硫酸塩使用量は、日本の食品衛生法の使用基準のおよそ10分の1以下で、ヨーロッパのデメターなど厳格な基準を持つ国際的なオーガニック団体の基準もクリアしています。参考資料
ちなみに、栃木県安足保健所の収去検査では、2010年11月の検査結果は「足利呱呱和飲」「こころぜ」ともに酸化防止剤・亜硫酸塩(二酸化硫黄)は0.027g/kg。
2011年12月の検査では「農民ロッソ」「農民ドライ」ともに0.03g/kg。
2013年11月の検査では「農民ロッソ」が0.025g/kg、「農民ドライ」が0.0064g/kg。
2015年1月の検査では「足利呱呱和飲」は0.036g/kg、「のぼっこ」の亜硫酸塩は検出せず。
2015年12月は「足利呱呱和飲」は0.020g/kg、「のぼっこ」の亜硫酸塩は検出せずでした。

私たちは、細心の注意を払って、亜硫酸塩を全く使用しないワインづくりも行っています。(当該ワインについては直接お問合せください。)このようにしてつくったワインでも、無添加ワインという表現を避けています。仕込段階から全く亜硫酸塩を添加していないワインでも、酵母が醗酵中自ら亜硫酸を生成し、自然由来の亜硫酸が検出されることもあるからです。
私たちは、ワインという人生にかかせない飲み物について、皆さまと一緒に末永く楽しめるよう、愚直なほどまじめに、美味しいワインをおつくりする所存です。
葡萄畑も醸造場も、年間を通していつでも公開しております。ご質問等ございましたら、ご遠慮なくお問い合わせくださいますよう、どうぞよろしくご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。